今週の注目レース

関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

阪神競馬場 1800メートル(芝・外)馬齢 (牝) 3歳オープン

出走馬情報

写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。

カムニャック

牝3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ブラックタイド
  • 母:ダンスアミーガ
  • 母の父:サクラバクシンオー
ここに注目!

父ブラックタイド、母の父サクラバクシンオーは名馬キタサンブラックと同じ配合パターン。跳びの大きいフットワークなど、本馬との共通点を見いだす関係者は多かった。長くいい脚を使える馬で、初めてとなる阪神・芝外回りコースも問題なさそうだ。

前々走のフローラSで重賞初制覇を果たし、前走のオークスではGⅠタイトルを獲得。一気に世代の頂点を極めた女王が、秋はここから始動する。厩舎スタッフは「左に流れる面があったので、春は意識して左回りに出走してきました。ようやく復調したと思える状態だったのが前走のオークスです。今回は帰厩段階から走りのバランスが良く、オークスと比較しても明らかに走りが整っています。これなら右回りも問題なさそうですね」とコメント。春よりも明らかに高い陣営のトーンを聞けば、いきなりエンジン全開のシーンを期待していいだろう。弾みをつけて秋華賞へと向かいたい。

パラディレーヌ

牝3歳

調教師:千田輝彦(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:パラダイスガーデン
  • 母の父:Closing Argument
ここに注目!

牝馬ながら、雄大な馬格を持った馬。母系は短距離色が強く、前走のオークスでは距離不安の声も聞かれたが、4着に入った。跳びの大きいフットワークと瞬発力に優れた血統背景から、阪神・外回りコースの芝1800メートルはベストの条件と言えるだろう。

前々走のフラワーCは2着、前走のオークスは勝ち馬カムニャックに0秒3差の4着と惜しい競馬が続いているが、前々走はスタートの出遅れで位置取りが後ろになったことが響いたもの。前走では直線の進路取りで少し迷うようなところがありながらも脚を伸ばしており、重賞未勝利でも力量はGⅠ級とのジャッジをしたい。相変わらず調教で見せる動きは抜群で、管理する千田輝彦調教師も「春は硬さが残りながらでしたが、今はゆったりと走れています。春より絞れているのに体を大きく見せていますよ」と、成長を実感している様子。リフレッシュ効果の大きさにも注目したい一戦となりそうだ。

タガノアビー

牝3歳

調教師:千田輝彦(栗東)

  • 父:アニマルキングダム
  • 母:タガノタイリン
  • 母の父:アイルハヴアナザー
ここに注目!

圧倒的な支持を受けた前走を勝てず、秋華賞へ確実に向かうためにはここで3着以内が必要。ここは力の入るレースになる。オークス(3着)も含め、全7戦中6戦で出走馬中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしている末脚が最大の武器だ。

5着だった休み明けのフローラSから連闘で1勝クラス・矢車賞(京都・芝2200メートル)へ。そこで勝利を飾ると、今度は中2週でオークスへ挑み、3着に好走した。厳しい日程を苦にしないタフさを持った馬と言えそうだ。一方、しっかりとリフレッシュして臨んだ前走の2勝クラス・長久手特別(中京・芝2000メートル)は、差し届かずに2着惜敗。管理する千田輝彦調教師は「春の感じからも(実戦を)使ったほうがよさそうな馬ですし、速い上がり(3ハロン33秒5、推定)は使えていました。ここでしっかりと優先出走権を取りたいですね」とコメント。ここは結果が欲しい一戦となる。

ミッキージュエリー

牝3歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ミッキーチャーム
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母譲りのスピードが最大の武器ではあるが、現状はムキになるところを見せず、我慢が利いた走りができている。コーナー通過2回の芝1800メートルにも対応可能だろう。適性的には秋華賞のほうが向きそうな馬。ここは優先出走権(3着以内)を取りたいレースになる。

デビュー戦こそ7着に敗れたが、約4か月ぶりの実戦だった3走前の未勝利(京都・芝1600メートル)から、前走の2勝クラス・北海H(函館・芝1800メートル)まで3連勝。一気に頭角を現してきた。特に前走は、1分45秒6のコースレコード(当時)で2着馬に3馬身1/2差をつけたように内容もかなり優秀。騎乗した丹内祐次騎手も「二の脚が速かったので楽に先手を取ることができました。強い勝ち方でしたね」と完勝を強調した。2018年の秋華賞でアーモンドアイの2着に入り、のちに重賞を2勝した母ミッキーチャームも、出世の足掛かりにしたのは3歳夏の北海道シリーズだった。似たような戦績で挑む本馬の走りにも注目したい。

チェルビアット

牝3歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:キューティゴールド
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

1分31秒台の決着になった前走で見せたスピードは、今回のメンバーでも上位にランクされるもの。特に、馬場コンディションが良好な開幕2週目では大きなプラス材料となるだろう。良馬場で走りたいところだ。

初勝利が芝1200メートルだったこと、芝1400メートルのフィリーズレビューで2着に好走していたこと、父が短距離色の強いロードカナロアであることなどから、前走のNHKマイルCでは12番人気の低評価だった。だが、そこでの3着で距離不安を払拭。半姉がジャパンカップを勝ったショウナンパンドラ(父ディープインパクト)という母系の血統を思えば、さらなる距離延長でも期待がかかる。管理する高野友和調教師は「前走のゴール前の勢いは、スタミナがない馬のものではありませんでした。潜在的なスタミナは持っていると思います」とコメント。ここで重賞初制覇を果たし、今後の選択肢を広げる可能性は十分にありそうだ。

テレサ

牝3歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:アドマイヤマーズ
  • 母:タムニア
  • 母の父:Nathaniel
ここに注目!

前走では、リステッドでの好走歴があったミッキーゴールドに勝利、メンバーレベルの高い一戦を制した。今回と同舞台で逃げ切りを決めた1勝クラス・アルメリア賞では、ラスト2ハロン10秒9、11秒6のラップをマーク。この脚を使うことができれば、簡単には捕まらない。

キャリア5戦で3勝をマーク。前々走のスイートピーS(リステッド・東京・芝1800メートル)はスタートで出遅れ、本来のスタイルと違う後方からの競馬になったが、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒3(推定)をマークして6着まで追い上げ、資質の高さを見せていた。本質は、前走の2勝クラス・柳川特別(小倉・芝1800メートル、1着)の時のようなスピードを生かす形。騎乗した松山弘平騎手も「持ったまま行っても(脚を)ためることができていたので、最後も脚を使ってくれました」と、スピード能力の高さを認めていた。秋華賞の優先出走権獲得も十分にありそうだ。

フェアリーライク

牝3歳

調教師:笹田和秀(栗東)

  • 父:ゴールドアクター
  • 母:ヒノクニノオンナ
  • 母の父:ヘニーヒューズ
ここに注目!

ここまで〔2・1・0・2〕のキャリアだが、2度の着外はどちらも折り合いを欠き、掲示板(5着以内)の確保もままならなかった。今回のポイントは相手強化だけではなく、いかに自分の走りができるかどうかだろう。脚がたまれば、かなりの切れを見せる馬だ。

約5か月のリフレッシュ期間を取り、22キログラムの大幅体重増で迎えた前走の1勝クラス(札幌・芝2000メートル)で見事な差し切り勝ちを収めた。もっとも、馬体増の一部は回復分。多少の余裕はあったかもしれないが、太め残りには見えなかった。この状態を維持して今回のレースに挑みたいところだろう。前走後に武豊騎手は「素質はありそうですし、道中は行きたがるのを我慢して運びました。この距離がギリギリかもしれません」とコメント。200メートルの距離短縮はプラスに働くはずで、一気に相手が強化される今回の一戦でもチャンスは十分にありそうだ。

ルージュソリテール

牝3歳

調教師:藤原英昭(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:レッドオルガ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

名繁殖牝馬エリモピクシーを祖母に持ち、近親には重賞活躍馬が多数の良血。2011年のデイリー杯2歳Sなどを勝ったクラレントを筆頭に、この血統はコーナー通過2回のコースで良績を残している。今回は長距離輸送がない点も強調材料で、舞台は絶好と言えそうだ。

直線で流れに乗り切れず、走りのリズムを崩した感のあった前々走のチューリップ賞こそ6着に敗れたが、オークスの優先出走権確保を目指して挑んだ前走のスイートピーS(リステッド・東京・芝1800メートル)で見事な巻き返し。ラスト3ハロンのレースラップが11秒4、11秒1、11秒3という速い上がりを2番手から抜け出したレースセンスと瞬発力は、GⅠでも通用しそうな雰囲気があった。それだけに、スイートピーSの疲れが抜け切れず、オークス回避となったのは残念だった。仕切り直しの復帰戦になる今回のレースに注目が集まる一頭だ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: