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牝2歳
調教師:J.リー(アメリカ)
不利を受けてもへこたれない精神的な強さは特筆もの。良馬場で好結果を残している点も好材料だ。今回は初の右回りがポイントになるが、これまでの4戦は全て異なる競馬場でのものであり、対応力は高そうだ。
今年8月のデビュー戦(アメリカ・芝1700メートル)を3コーナー手前から動いていってハナ差で勝利を収めると、続く総賞金100万ドルの高額賞金レースである9月のケンタッキーダウンズジュベナイルフィリーズS(リステッド・アメリカ・芝1600メートル)も差して連勝。さらに10月のジェサミンS(G2・アメリカ・芝1700メートル)もスタート直後のごちゃつきをものともせずに鋭い差し脚を見せ、最後は3頭が横一線に並ぶ接戦をハナ差で制して重賞初制覇を果たした。その後、前走11月のブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフ(G1・アメリカ・芝1600メートル)では、これを勝ってG1・3連勝でヨーロッパ最優秀2歳牝馬に輝いたレイクヴィクトリアには1馬身半差をつけられたものの、後方から鋭く伸びて2着に好走。アメリカ調教馬では最先着を果たした。外国調教の2歳馬が日本のレースに出走するのは今回が初めてとなる。
牝2歳
調教師:手塚貴久(美浦)
フットワークの大きな走りから、京都・外回りコースに適性がありそうなタイプだが、開催が進んだ現在の芝コンディションへの対応は未知数。理想は良馬場の決め手勝負だろう。折り合いに不安がない点は強みとなりそうだ。
海外重賞を2勝し、アメリカの最重要G1でもあるケンタッキーダービー、BCクラシックでともに3着と好走したフォーエバーヤング(父リアルスティール)が半兄にいる血統。もっとも、本馬は100キログラム近い体重差がある兄とは異なる芝のスピードタイプで、前走のアルテミスSでは、レースのラスト2ハロン11秒1、11秒0の速いラップを楽に抜け出す好パフォーマンスを見せた。馬体は小さくても動きがしなやかで、2歳牝馬と思えない落ち着きもセールスポイント。初めての関西遠征も問題なく対応できそうだ。無敗でのGⅠ戴冠で2歳女王の座を射止める可能性は高い。
牝2歳
調教師:田島俊明(美浦)
牝馬らしからぬ雄大な馬体を持ち、後肢の踏み込みもかなり深い。見栄えのする黒鹿毛の馬体も相まって、パドックでは相当に目立つタイプだ。見た目通りの大きなフットワーク。坂の下りで加速できる京都・外回りコースの適性は相当に高い。
メイクデビュー札幌(芝1800メートル)では2歳コースレコード勝ちしたキングスコールと3馬身差の2着に敗れたが、続く未勝利(札幌・芝1800メートル)、前走の萩S(リステッド・京都・芝1800メートル)と逃げ切りで連勝。特に先々週の東京で行われた1勝クラス・ベゴニア賞を勝ったディアナザールを2着に退けた萩Sは、ラスト3ハロン11秒4、11秒1、11秒2のラップ構成。これに近いパフォーマンスができるのであれば、今回もチャンスはかなりありそうだ。現2歳世代が初年度になるシスキン産駒初のGⅠ勝ち馬が誕生するかどうかにも注目したい。
牝2歳
調教師:福永祐一(栗東)
母の父ディープインパクトの切れを有してはいるものの、名スプリンターだった父ロードカナロアの影響を感じる馬。緩い流れとなった前走では1600メートルをこなしたが、ペースが流れ、スタミナも必要な状況になった場合でも我慢できるかがポイントだろう。
スタートダッシュがつかなかったメイクデビュー中山(芝1600メートル)は6着と結果を残せなかったが、続く未勝利(京都・芝1400メートル)で勝ち上がり。予定を前倒しする形で出走した前走のデイリー杯2歳Sも4番手追走から差し切り、キャリア3戦目で重賞初制覇を果たした。今回の一戦には3頭の重賞勝ち馬が出走するが、牡馬混合の重賞勝ち馬は本馬のみ。使用コースこそBコースからCコースに変更されているが、今回と同じ舞台で重賞を勝っていることも大きな強みとなりそうだ。3連勝でのGⅠ制覇に期待したい。
牝2歳
調教師:本田優(栗東)
調教で見せる動きの良さは今年の2歳世代でもトップクラス。パドックで見せる前進気勢も素晴らしいが、今回は200メートルの距離延長。気が良過ぎる面が出て、折り合いに苦労するシーンは考えられる。レースの序盤がポイントだ。
母の父イントゥミスチーフはダート競馬が主流の北米リーディングサイヤーだが、スラッとした柔らかい見た目の馬も多く、日本では同馬の血を持つ馬が芝でデビューするパターンも目立っている。父にロードカナロアを迎え、480キログラム台の馬体を有する本馬も血統のイメージ以上にしなやかで、フットワークも非常に大きい。おそらくは良馬場志向の馬だろうが、不良馬場で行われた前走のファンタジーSで初重賞制覇を果たしたように、タフな馬場コンディションでもパフォーマンスが極端に落ちることはなかった。天候や馬場状態に左右されない強みは、キャリアの浅い2歳牝馬にとって大きな武器となるだろう。
牝2歳
調教師:上村洋行(栗東)
前走の札幌2歳S(2着)後はここを目標にした調整。さすがと思える動きから仕上がりに不足はなさそうだが、今回のポイントは多頭数のマイル戦。過去の2戦と大きく異なるスピード勝負に対応できるかが鍵となりそうだ。
デビュー前の調教から競走馬としてのセンスの高さを評価されていた馬。ハナを切る形で押し切ったメイクデビュー札幌(芝1800メートル)とは対照的なレース運びでマジックサンズの2着に好走した前走の札幌2歳Sは、前述したセンスの高さが凝縮されたパフォーマンスだったと言えるだろう。産駒の距離適性こそ違うものの、父ハービンジャー、母の父のダイワメジャーはともにパワーを有した種牡馬。過去の2戦がともに洋芝の札幌で、かつ前々走が稍重、前走は重とタフな馬場状態で結果を残してきた本馬のセールスポイントもそこにあると言えそうだ。
牝2歳
調教師:伊藤大士(美浦)
2戦連続で出遅れており、今回もスタートは鍵になる。ただ、スタートして以降の走りは大きいタイプ。多頭数で前に壁を作りやすい状況はプラスに働く可能性が高い。推定上がり3ハロンの数字は2戦連続で最速。武器の末脚を生かせるかどうかだ。
レースのラスト2ハロン10秒9、11秒4のラップ構成を差し切ったメイクデビュー東京(芝1600メートル)のレース内容が評価され、前走の新潟2歳Sでは1番人気に支持された。結果は勝ったトータルクラリティから1/2馬身差の2着。期待された重賞制覇はならなかったものの、道中の折り合いがつかず、直線を向くまでの長い時間で行きたがっていたことを思えば、ポテンシャルの高さを改めて感じる走り。今回の出走馬に入っても能力面で引けを取ることはないだろう。父は新種牡馬のサートゥルナーリア。産駒の重賞初勝利がGⅠ初制覇になるかもしれない。
牝2歳
調教師:矢作芳人(栗東)
過去2戦はともに左回りだが、前走は4コーナーの入り口から右手前。前々走も手前の変換が早かった。右手前でコーナーを走れる右回りのほうがスピードの乗りがいい可能性はある。コース替わりをプラスにできるようなら面白い。
母のチェロキーメイドンはコントレイルの母であるロードクロサイトの半妹。本馬はコントレイルと同じ矢作芳人厩舎の管理馬であり、無敗の三冠馬を近親に持つ血筋は大きな魅力と言える。もっとも、牡馬でも460キログラム前後の馬体重だったコントレイルと違い、本馬は500キログラム前後の大きな牝馬だ。6馬身差で快勝したメイクデビュー新潟(芝1600メートル)に続き、ブラウンラチェットの2着に好走した前走のアルテミスSでも主導権を奪う競馬。瞬発力よりもスピードの持続力を生かしたレースをしてきたところも見逃せない。今回もレースの流れを作る存在となりそうだ。
(外国馬=秋山 響(TPC)、日本馬=松浪 大樹)
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