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牡4歳
調教師:R.ヴェリアン(イギリス)
今年敗れた2走は、どちらも人気薄馬にマイペースの逃げ切りを許しての2着。力負けの印象はなく、それぞれ3着馬には6馬身半差、3馬身差をつけていた。また、ジャックルマロワ賞(G1・フランス・芝1600メートル)では今世紀の同レースで3番目の好タイムである1分33秒98で優勝。良馬場のスピード決着にも高い適性を見せている。
4歳になった今年に本格化。シーズン初戦となった3月のドンカスターマイルS(リステッド・イギリス・芝1600メートル)と4月のサンダウンマイルS(G2・イギリス・芝1600メートル)を連勝すると、続く5月のロッキンジS(G1・イギリス・芝1600メートル)は逃げ切られて1馬身3/4差の2着に終わったが、6月のクイーンアンS(G1・イギリス・芝1600メートル)では中団から力強く抜け出して2馬身1/4差で優勝。さらに8月のジャックルマロワ賞(G1・フランス・芝1600メートル)も先行策から今年の仏2000ギニー馬メトロポリタンに3馬身差をつけてG1連勝とした。その後、9月のムーランドロンシャン賞(G1・フランス・芝1600メートル)は逃げ馬を捕らえられず1馬身1/4差の2着だったが、続く前走10月のクイーンエリザベスⅡ世S(G1・イギリス・芝1600メートル)は先行して持ったままで先頭に立つと、最後は今年のドバイターフ(G1)優勝馬ファクトゥールシュヴァルを2馬身突き放して優勝。3度目のマイルG1制覇を果たした。
牝5歳
調教師:高野友和(栗東)
安田記念(2着)以来だけに仕上がりがポイントの一つになるが、休み明けが大きなマイナスになるタイプではなく、最近は馬体重も安定している。京都コースへの高い適性も昨年の本レースで証明済み。決め手を生かせる良馬場で競馬がしたいところだ。
4コーナー15番手の厳しい位置取りから、直線一気の差し切り勝ちを決めた昨年のマイルチャンピオンシップは衝撃的だった。それ以降も香港マイル(G1・芝1600メートル)が3着、ドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)と安田記念が2着と、ハイレベルなレースで好走。日本を代表するトップマイラーと言っていいだろう。マイルチャンピオンシップは、2020年と2021年のグランアレグリアを筆頭に、デュランダル、タイキシャトル、ダイタクヘリオス、ニホンピロウイナー、そして本馬の母の父であるダイワメジャーが連覇している。本馬もチャンス十分だ。
牡5歳
調教師:友道康夫(栗東)
マイルで1分31秒台での勝利が2回。これまでに2度のコースレコード勝ちもあるように、時計勝負にめっぽう強いタイプだ。良馬場で走りたいところだろう。前走はスタートを五分に出たことで、望んでいた位置が取れた。直線勝負の馬だが、スタートこそが大事と言える。
デビュー直後から重賞級と陣営から高い評価を受けていた馬。スタートが安定しないことに加え、適性よりも少し長い距離を選択されていたこともあって、2勝クラスを勝ち切るまでに時間を要した。1600メートルの距離に照準を絞ってからのパフォーマンスには目を見張るものがあり、特に5歳を迎えた今年は自慢の瞬発力に磨きがかかった印象だ。ワールドエース産駒初のJRA重賞制覇となった前走の富士Sは、マイルGⅠの常連でもあるソウルラッシュをゴール前で突き放す強い内容だった。勢いに乗って挑む一戦なら、初めてのGⅠチャレンジでも軽くは扱えない。
牝4歳
調教師:宮田敬介(美浦)
京都・外回りコースへの適性を示している点も心強いが、コースレコード決着だった昨年のローズS(2着)でスピード勝負に対応できる面を見せていることもチェックしておきたい。父がロードカナロアで母の父がディープインパクト。血統的にはベストの舞台と言えそうだ。
わずか5戦のキャリアでGⅠタイトルを仕留めた昨年のエリザベス女王杯にも驚かされたが、上がり3ハロン32秒8(推定)で突き抜けた前走の府中牝馬Sも強烈だった。春のUAE遠征を取り止め、復帰予定だった新潟記念も見送って迎えた府中牝馬S。調教の動きは良かったものの、2度の予定変更に加え、他馬よりも重い57キログラムの斤量を背負っていたことを考慮すれば、実力を発揮できなくても不思議はないと考えられていたなかでの勝利だった。今回は初めてのマイル戦を不安視する声もあるようだが、本馬のポテンシャルをもってすれば、大きな課題になるとは思えない。
牡6歳
調教師:池江泰寿(栗東)
速い時計での決着でも結果を出しているが、水分を含んだ馬場状態でもパフォーマンスを落とさないところが強み。勝った経験のない東京から、3戦して3着以内を外したことのない京都へのコース替わりも大きなプラス材料だ。
今春のマイラーズCで重賞3勝目をマークし、前々走の安田記念でも差のない3着。1番人気の支持を受けた前走の富士Sではジュンブロッサムに先着を許したが、斤量がジュンブロッサムより1キログラム重い58キログラムだったことも影響したのだろう。最近は安定したパフォーマンスを見せており、昨年のマイルチャンピオンシップではナミュールとクビ差の2着に好走。コース適性の高さにも注目したい。ルーラーシップ産駒では、メールドグラース、キセキに次ぐ収得賞金を獲得。念願のGⅠ制覇を決めて、名実ともに代表産駒の座を勝ち取りたいところだ。
牡5歳
調教師:中内田充正(栗東)
近走は勝ち切れないレースが続くが、常に勝ち馬と差のないところでゴールしている堅実派。京都コースでは結果を出せていないが、苦手にするタイプとは思えない。課題となるのは折り合い面で、スムーズに追走できるかどうかが鍵になる。
阪神競馬場で行われた2022年のマイルチャンピオンシップ優勝から2年が経過。それ以降の7戦で勝ち星を挙げることはできていないが、昨年の安田記念ではソングラインの2着に好走し、今年のマイラーズCもソウルラッシュの2着に入った。前走の富士Sは少し行きたがるような面を見せたためか、いつもほどの切れがなかったように見えたが、4着までは押し上げており、能力の衰えは感じられない。休み明けを一度使われて迎える今回、初GⅠ制覇を飾ったレースで2年ぶりの勝利を挙げることができるのか、注目したい。
せん5歳
調教師:松永幹夫(栗東)
パドックで少しうるさい面を見せるかもしれないが、以前と比べれば気性面の成長が窺える。前めのポジションで競馬をした時のほうが好成績が出ている馬。今回もまずはスタートを決めて、ロスのないレース運びをしたいところだ。
重賞初制覇を果たした今年の中山記念は、好位からの抜け出し。コーナー通過4回のコースを上手に走ってつかんだ勝利だった。今回の舞台は、コーナー通過2回のマイル戦。しかし、その戦績を振り返ればコーナー通過2回のコースを狙って出走していた経緯があり、オープンクラスでの初勝利をマークしたリゲルS(リステッド・阪神・芝1600メートル)が、まさにコーナー通過2回のマイル戦だった。前走の天皇賞(秋)で5着に健闘し、改めて地力強化を確認して迎える秋3走目なら、さらに上のパフォーマンスを披露する可能性も十分にありそうだ。
牡4歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
良馬場が理想のタイプで、結果が出なかった上半期の3戦は馬場状態(いずれも稍重)が合わなかったようだ。オープンクラス入りしてからは出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムを記録したことがなく、瞬発力勝負では分が悪そう。仕掛けどころが鍵になる。
ソングライン、シュネルマイスターといったハイレベルなメンバーを退け、2つ目の重賞タイトルを獲得した昨年の毎日王冠でのパフォーマンスが記憶に鮮明な馬。今年の上半期は3戦して掲示板(5着以内)確保もできなかったが、前々走の中京記念では59キログラムのハンデを背負いながら3着と復調の兆しを見せ、前走の毎日王冠も勝ったシックスペンスから0秒2差の3着に好走した。昨年は勝ったナミュールから0秒2差の4着と見せ場十分だったマイルチャンピオンシップ。トップフォームを取り戻しつつあるならば、今回のメンバーが相手でも期待は高まる。
(外国馬=秋山 響(TPC)、日本馬=松浪 大樹)
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