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せん7歳
調教師:福永祐一(栗東)
前走のケフェウスS(中京・芝2000メートル)でオープン特別初勝利。しかも好タイムをマークした。7歳となった今が最盛期と思える走りを見せている。振り返れば、2021年のアルゼンチン共和国杯で3着の実力馬。前走勝ちの勢いに乗って重賞初制覇を目指す。
前走のオープン特別・ケフェウスSは2番手から危なげなく押し切る盤石の競馬。勝ち時計の1分58秒2は単純比較なら今年3月に行われた金鯱賞で2着に相当するもので、ひとつ殻を破ったことが窺える快勝だった。7歳でいまだ成長していることを示す一方、昨年の去勢から数戦を経て、ようやく力をフルに発揮できるようになった感がある。アルゼンチン共和国杯3着を筆頭にオープンクラスでは東京での好走が目につくが、もともとは好センスに加えて長くいい脚を使う競馬をするタイプ。福島は合うイメージが湧く。重賞でも前走同様の好位抜け出しで初タイトル獲得を目指す。
牡3歳
調教師:宗像義忠(美浦)
弥生賞ディープインパクト記念でコスモキュランダ、シンエンペラーに次ぐ3着。前々走のラジオNIKKEI賞も力を再認識させる2着だった。前走の小倉記念(9着)はひと伸びを欠いたが、良績のある福島で巻き返しを期す。
福島・芝1200メートルで新馬勝ち。新潟2歳S5着を経て、オープン特別・芙蓉S(中山・芝2000メートル)で2勝目を挙げた。以後は勝利こそないが、クラシックを狙う素質馬がそろうホープフルSで6着、弥生賞ディープインパクト記念で3着と健闘。とりわけ後者では次走の皐月賞で2着のコスモキュランダ、その後日本ダービー3着のシンエンペラーと互角の走りを見せており、中距離なら重賞に手が届く器であることを示すに十分な走りだった。実際、前々走のラジオNIKKEI賞はゴール寸前で勝ち馬に差されたとはいえ、一度は完全に抜け出してのアタマ差2着。その福島に戻れば小倉記念9着からの巻き返しは可能だろう。
牡5歳
調教師:菊沢隆徳(美浦)
前々走で14番人気の評価を覆してオープンクラス入り。前走はいきなりのリステッド、3キログラムの斤量増ながら2着と、ここにきての充実ぶりは本物だ。軽快な先行力があり、小回りコースは向きそう。福島替わりはプラスとみていいだろう。
前々走の3勝クラス・レインボーS(中山・芝1800メートル)の勝利までは、3勝全てがダート。障害も2度経験しており、ここまでのキャリアはかなり特徴的と言える。契機となったそのレインボーSは、ハンデ差を生かして積極的な競馬を展開。単勝オッズ160.6倍という点から他陣営のマークが薄かったこともあっただろうが、それでも1分45秒5の勝ち時計は立派で、これは同舞台の現時点での年間最速タイム。前走のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)での2着も含めて、急速な成長を遂げたことは間違いなさそうだ。先行してのしぶとい競馬が身上。直線の短い福島で、本馬の良さがさらに生きそうだ。
牝5歳
調教師:黒岩陽一(美浦)
今春に2勝クラス、3勝クラスを連勝。前走の函館記念は15着も、あれが実力でないことは連勝の好内容が示している。約4か月の休み明けだが、十分過ぎるほど乗り込まれ、さらに進化を遂げた様子。改めての重賞挑戦に期待したい。
前走の函館記念は後方のまま15着だったが、本来はもっと前で運べる馬。そのレースぶりからも参考外でいいのではないだろうか。一方で春の連勝は、いずれもクビ差とはいえ好パフォーマンスと言えるもの。2勝クラス・野島崎特別(中山・芝2000メートル)では、逃げた昨年の紫苑S3着馬シランケドを正攻法でねじ伏せ、続く3勝クラス・パールS(京都・芝2000メートル)は2番手抜け出しから後続の追い上げを振り切った。今回は約4か月の休み明けだが、調教でいい動きを見せており、状態面の良さが窺える。過去に福島・芝2000メートルでの好走歴もあるだけに、今度は本領を見せる時だろう。
せん6歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
2勝クラスも3勝クラスも逃げ切りで突破。小回りコースが合っている印象で、実際福島では過去に3勝、芝2000メートルで2戦2勝と結果を残している。一気の相手強化だが、再度マイペースなら怖い存在になる。
コーナーを4度通過する競馬を狙って使われ、1800メートルで1勝、2000メートルで3勝という明確な中距離ホース。とりわけ強調できるのが福島巧者である点だ。当地では1着、8着、5着、1着、1着という成績だが、8着は2600メートル戦。それ以外は全て1800メートルか2000メートルで、福島・中距離での安定感は大いに支持できる。また、3勝目の2勝クラス・玄海特別(小倉・芝2000メートル)はラスト2ハロン11秒6、11秒7のラップでの逃走劇。4勝目となった前走の3勝クラス・阿武隈S(福島・芝2000メートル)は同11秒8、12秒0での逃げ切りと、持続性のある脚が本馬の強みでもある。ここも積極策からの逃げ切りがあっていい。
牡4歳
調教師:今野貞一(栗東)
3歳春の時点で毎日杯4着の実績があった馬。前走の京都大賞典も6着とはいえ勝ち馬から0秒3差で、素質馬が本格化してきた印象を受ける。1800メートルから2000メートルに良績が集中しており、今回の舞台なら前走以上に走れていいはずだ。
3勝クラス・関ケ原S(中京・芝2000メートル)でオープンクラス入りを果たしたが、それまで大崩れと言える負けはなく、堅実に走れるタイプ。前走の京都大賞典はまさにそれを端的に表した一戦だろう。オープンクラス入り直後のGⅡ挑戦、しかも初めての2400メートルという難しい条件だったが、大外から差し切るかの勢いを見せて勝ち馬から0秒3差の6着。重賞で通用するだけの素質を見せたと言えよう。その京都大賞典から、今回はハンデ戦のGⅢに条件が替わる。2000メートルでは過去2着、1着、4着、1着と結果を出しており、未経験の福島でも上位争いになるだけの材料がそろっている。
牝7歳
調教師:伊藤伸一(美浦)
2022年の中山牝馬Sの勝ち馬。昨年の中山金杯では牡馬相手に2着に入った。当地は福島牝馬Sを2022年、2023年と走って2着、3着。力もコース適性も証明済みだ。3月以来の実戦でも動きは軽快。軽視はできない。
牝馬限定戦とはいえ、今回のメンバーで世代混合の重賞を勝っているのは本馬だけ。この点をまず強調できる。加えて、福島で2勝クラスを勝ち、福島牝馬Sで過去2着、3着という福島巧者ぶりも推せるところだ。今回は3月の中山牝馬S(7着)以来の実戦になるが、10月中旬から乗り込みを開始して、松岡正海騎手が騎乗した10月23日の追い切りでは美浦Wコースで6ハロン82秒4をマーク。ラスト1ハロン11秒4という鋭さを見せ、これで出走態勢は整ったのではないか。2022年の京成杯オータムHでは約4か月ぶりのレースで3着に好走。休養明けで好走した実績もある。
(山下 健)
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