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牡2歳
調教師:松下武士(栗東)
デビュー2戦目で暑い新潟への遠征。初戦よりも馬体が絞れてくると予想したが、体重的には2キログラムの増加だった。まだまだ良化の余地を残している点での2歳コースレコード勝ちは評価が高い。初戦ではひと息だったスタートを今回も決めたいところだ。
今年の2歳世代が初年度産駒になる父タワーオブロンドンは、2019年のスプリンターズSを制しただけでなく、2度のコースレコードタイムをマークしたスピードキング。Doff the Derbyを祖にした母系が優秀ということもあって、注目度の非常に高い新種牡馬と言えるだろう。2戦目での勝ち上がりとなった本馬は、前走の未勝利(新潟・芝1400メートル)で1分20秒6の2歳コースレコードをマーク。初戦とは一転した逃げ切りでの勝利は、父の産駒に期待されているスピードを存分に示すものでもあった。タイプ的にも距離短縮は好材料。重賞初制覇を期待していいだろう。
牡2歳
調教師:大久保龍志(栗東)
調教段階から動きの良さが目立っていた馬。すでに仕上がっていたこともあり、大きな進展は見込みづらいのかもしれないが、実戦を経験したことによる上積みはあるだろう。今回と同じ舞台で勝ち上がっている点も見逃せない。
スタートは速くなかったが、スピードの違いで早々に2番手を確保。残り200メートル付近まで追い出しを待つ余裕を見せた前走のメイクデビュー中京(芝1200メートル)は、2着クラスペディアとの差こそ1馬身1/4だったが、2着馬と3着馬の差は6馬身も離れていた。上がり3ハロン33秒5(推定)の数字からも、非常に優秀な内容での勝ち上がりと評価していいだろう。父ディスクリートキャットの代表産駒と言えば、1着賞金が約5億円の高額賞金競走・ゴールデンイーグル(オーストラリア)を制したオオバンブルマイ。本馬も早々の重賞制覇を果たし、大いなる活躍を期待したいところだ。
牡2歳
調教師:上原佑紀(美浦)
過去の2戦は、気候の涼しく、小回りコースで洋芝の函館が舞台。今回は厳しい暑さが続く中京に舞台を移し、長い直線で速い時計を要求されることになる。大きく替わる条件に対応できるかどうかが最大のポイントになりそうだ。
父アルアインは皐月賞、大阪杯の中距離GⅠを2勝したディープインパクト産駒だが、アルアインの母であるドバイマジェスティはエクリプス賞最優秀短距離牝馬を受賞したスプリンター。厚みのある馬体は代表産駒のシャフリヤールとはまるで違うもので、短距離戦を得意にする産駒が出ても不思議はなかった。メイクデビュー函館(芝1200メートル)を5馬身差で逃げ切り、前走の函館2歳Sでも勝ち馬サトノカルナバルから0秒2差の3着をキープした本馬のイメージもスプリンター。キャリアの浅い馬が多い一戦で、重賞の舞台を経験している強みを生かしたい。
牝2歳
調教師:高橋亮(栗東)
約2か月の間隔を取って挑むレース。調整過程の順調さが目を引き、1週前追い切りでは栗東CWコースでラスト1ハロン11秒1という速いタイムを出している。前走時も仕上がっていた印象だが、さらに一段階上がっている雰囲気がある。
父はインターナショナルS、クイーンアンS(ともにG1・イギリス)を制したデクラレーションオブウォー。日本での代表産駒として最初に名前があがるのはホープフルS2着のトップナイフだろうが、短距離色の強い本馬に近いイメージは、昨年のファルコンSを制したタマモブラックタイだろう。もっとも、豊富なスピードは多くの活躍馬を輩出した母系の影響によるものも大きく、JRAで5勝をマークした母チャームポットは左回りの短距離で3勝を挙げたサウスポー。好内容で前走のメイクデビュー小倉(芝1200メートル)を勝ち上がった本馬も、左回りの中京でさらにパフォーマンスを上げる可能性がありそうだ。
牝2歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
半兄アルナシーム(父モーリス)もデビュー戦の馬体重は418キログラム。本馬の小柄な馬体は兄と同様で、前走時で408キログラムの一見すると非力に見える馬体でも、稍重でタフな状態の芝をこなした。イメージ以上の力強さを備えている馬だ。
今年の2歳世代が初年度になるナダルの産駒で、半兄には今夏の中京記念を制したアルナシームがいる血統。父がモーリスのアルナシームはサンデーサイレンスの4×3というインブリードを持っていたが、本馬が持つインブリードはプルピットの3×4。ドバイマジェスティを祖母に持つ母系も含め、スピード色が非常に強い馬との認識で間違いはないはずだ。1番人気の支持を受けたメイクデビュー京都(芝1200メートル・内回り)では、上がり3ハロン33秒8(推定)をマークして差し切り勝ち。非凡な瞬発力も大きな武器と言える。直線が長い中京へのコース替わりは魅力だろう。
牡2歳
調教師:中竹和也(栗東)
少頭数の外枠だった前走は、スタートが決まったこともあって楽な競馬ができた。前々走のような囲まれる形になった場合の対応がポイントだろう。スピード色の強かった前走内容から、理想は良馬場での時計の速い決着と言えそうだ。
父タワーオブロンドンはチャンピオンスプリンター、母アンナトルテはデビュー戦を勝っただけの1勝馬だが、祖母のクーヴェルチュールは2007年のキーンランドCなど、1200メートルのスプリント戦でオープンクラス3勝をマークしており、優秀なスプリント血統を持った馬と言えるだろう。折り合いに苦労したメイクデビュー京都(芝1400メートル)こそ2着に敗れたが、距離を短縮した前走の未勝利(小倉・芝1200メートル)では、終始抜群の手応えのまま楽々と逃げ切り勝ち。断然の1番人気に応えている。重賞メンバーが相手でもスピード負けはしないはずだ。
牝2歳
調教師:牧田和弥(栗東)
馬格があるタイプではなく、スピード優先の印象が大きいパフォーマンス。良馬場が理想のタイプだろう。前走時よりも日程に余裕があるため、栗東CWコースでしっかりと1週前追い切りを消化できた。これが前走との違いを生んでも不思議はない。
単勝オッズ1.3倍の圧倒的な支持を受けた前走のオープン特別・ひまわり賞(小倉・芝1200メートル)ではケイテンアイジンの2着に敗れたが、その走破タイムは1分10秒9。9馬身差の楽勝だったメイクデビュー小倉(芝1200メートル)でマークした1分09秒8より1秒1も遅かったが、それは能力うんぬんではなく、当時の馬場状態(稍重)が合わなかった可能性が高い。九州産馬限定戦との差はあるだろうが、デビュー戦の衝撃的な内容から、先々も互角の勝負が可能と言われていた馬。今回のメンバー相手に差のない競馬をしても不思議はない。
(松浪 大樹)
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