2023年のキーンランドCを単勝1番人気の支持に応えて制したナムラクレアは、同年秋のスプリンターズSで3着に入り、翌年春の高松宮記念でも2着となった。また、2022年のキーンランドCで2着となったウインマーベルは、次走のスプリンターズSでも2着に食い込んでいる。佳境を迎えたサマースプリントシリーズの趨勢はもちろん、今秋以降のビッグレースを占ううえでも見逃せない一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、通算出走数が23戦以内だった。一方、24戦以上だった馬は3着内率7.1%と苦戦している。キャリアが豊富な馬は疑ってかかるべきだろう。〔表1〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
23戦以内 | 8-10-8-72 | 8.2% | 18.4% | 26.5% |
24戦以上 | 2-0-2-52 | 3.6% | 3.6% | 7.1% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、枠番が4枠から8枠だった。一方、1枠から3枠だった馬は3着内率7.4%と苦戦している。内寄りの枠に入った馬は割り引きが必要だろう。〔表2〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜3枠 | 0-2-2-50 | 0% | 3.7% | 7.4% |
4〜8枠 | 10-8-8-74 | 10.0% | 18.0% | 26.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、「同年のJRAの出走頭数が13頭以上だった1200メートル以上の重賞」において7着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率4.8%と苦戦している。今年に入ってから13頭以上で行われた1200メートル以上の重賞で7着以内がない馬は、過信禁物とみておきたい。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-9-64 | 9.9% | 19.8% | 29.7% |
なし | 1-1-1-60 | 1.6% | 3.2% | 4.8% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭中16頭は、前走が国内かつ直線コースではなかったうえ、前走の4コーナー通過順が2番手から12番手だった。一方、先頭もしくは13番手以下だった馬は全て4着以下に敗れている。前走の4コーナーを先頭で通過していた馬や、13番手以下で通過していた馬は、評価を下げるべきだろう。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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先頭 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
2〜12番手 | 5-6-5-51 | 7.5% | 16.4% | 23.9% |
13番手以下 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
過去5年の優勝馬5頭は、いずれも通算出走数が15戦以内だった。〔表1〕で挙げた傾向を考えても、キャリアの浅い馬を重視した方がよさそうだ。また、この5頭は枠番が4枠から7枠だった点、同年のJRAの出走頭数が13頭以上だった1200メートル以上の重賞において7着以内となった経験があった点も共通している。〔表2〕や〔表3〕で挙げた傾向もチェックしておきたい。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 通算出走数 | 枠番 | 同年のJRAの出走頭数が13頭以上だった1200メートル以上の重賞における最高着順 |
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2019年 | ダノンスマッシュ | 12戦 | 7枠 | 1着(シルクロードS) |
2020年 | エイティーンガール | 15戦 | 7枠 | 2着(シルクロードS) |
2021年 | レイハリア | 6戦 | 6枠 | 1着(葵S) |
2022年 | ヴェントヴォーチェ | 11戦 | 4枠 | 7着(函館スプリントS) |
2023年 | ナムラクレア | 13戦 | 7枠 | 1着(シルクロードS) |
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