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牡4歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
香港遠征後のレースだった前走時の調整は、着地検疫を経て、東京競馬場に直接入厩する形。仕上がりに不足は感じなかったが、これまでと違う難しさはあったはずだ。今回は慣れた栗東トレーニング・センターでの調整。潜在能力の高さをあらためて見直したい。
ソングライン、シュネルマイスターのGⅠ馬2頭を退けた昨年の毎日王冠は、現在も記憶に新しいところ。続くマイルチャンピオンシップでも勝ち馬から0秒2差の4着に入り、トップクラスの実力馬であることを印象付けたが、4歳を迎えた今年は3戦して掲示板(5着以内)確保がない。もっとも、休み明けだった中山記念7着は、稍重の発表以上にタフな馬場コンディションがこたえたもの。ブリンカーを着用して挑んだ近2走は出遅れもあり、いずれも自分の形で競馬を進めることができなかった。59キログラムのハンデ克服はポイントにはなるが、GⅢなら断然の力量があるはずだ。
牡5歳
調教師:宮田敬介(美浦)
なによりも折り合いがポイントになる馬で、道中のペースは速ければ速いほうがいい。小倉大賞典(1着)のような前半1000メートル通過タイム57秒台になれば、好走確率もグッと上がりそうだ。距離短縮もプラス材料だろう。
初めてのGⅠに挑んだ前走の大阪杯では10着と大敗を喫したが、スタートで遅れたこともあり、道中の位置取りが後ろになったことが敗因と言え、これは度外視していいだろう。重賞初勝利を決めた2月の小倉大賞典が今回と同じ舞台。この時はレースの前半1000メートル通過タイム57秒2というハイペースの流れが功を奏し、スムーズに折り合えたことが大きかったレースではあったが、この条件への適性が高いことも間違いない。阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事に伴う開催日程変更で、小倉での開催となったことを最も喜んでいる馬かもしれない。重賞2勝目のチャンスだ。
牡4歳
調教師:上村洋行(栗東)
ある程度の位置を取って競馬を進めるスタイルを確立している馬。久しぶりに走るコーナー通過4回の舞台に対応し、同型馬をさばくことがポイントだろう。水分を含んだ馬場コンディションはこなすタイプ。他馬との比較でプラス材料になるはずだ。
3勝クラス・立雲峡S(阪神・芝1600メートル)に続き、オープンクラスへの昇級戦となった都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル)も2番手から抜け出して連勝。重賞のメンバーが相手になる今回でも目が離せない存在になっている。マイルへの短縮で頭角を現してきた背景はあるが、デビュー当時は2000メートル以上のレースを走っており、父のスピルバーグも2014年の天皇賞(秋)を制した中距離馬。5歳秋の重賞初制覇がGⅠ勝利だった父のように、晩成型の血を一気に開花させたいところだろう。このレースを勝てば、スピルバーグ産駒のJRA重賞初勝利。孝行息子の活躍に期待したい。
牡5歳
調教師:橋口慎介(栗東)
手前の替え方がギコちなく、これまでは結果の出ていなかった左回りのレースにあえて挑んだ前走。まずまずの内容と結果(5着)は、本馬の成長を示すものと言えそうだ。右回りへのコース替わりは大きなプラス材料。前進必至だろう。
昨秋のカシオペアS(リステッド・京都・芝1800メートル)でオープンクラスを勝っているモーリス産駒。若い頃のような折り合いに手を焼くシーンがなくなり、特にベストディスタンスの1800メートルではパフォーマンスが安定してきた。今回と同じ舞台で行われた小倉大賞典が勝ち馬から0秒3差の4着、都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル)では同0秒2差の2着、前走のエプソムCは同0秒6差の5着と、異なるコースにしっかりと対応。引き続き得意距離なら、今回も大きく崩れることは考えにくい。9度目の重賞挑戦で待望のタイトル獲得なるか、注目したい。
牡4歳
調教師:大橋勇樹(栗東)
小倉コースの成績は3戦3勝。舞台設定が合う可能性は高い。新潟に遠征した昨夏も2着に好走しており、当日輸送がない形がいい馬なのかもしれない。480キログラム台で安定している馬体の成長も活躍の要因。この数字をキープしたい。
3月の3勝クラス・関門橋S(小倉・芝2000メートル)を制してオープン馬の仲間入りを果たしたキタサンブラック産駒の4歳馬。直線であっさりと抜けてきた同レースの内容も素晴らしかったが、3着に好走した前々走のマイラーズCこそが、現在の充実ぶりを示した一戦であったと言えるかもしれない。ソウルラッシュ、セリフォスといったGⅠ級の2頭には後れを取ったものの、直線で一度は2番手をうかがうシーンを作り、見せ場は十分だった。一方、前走の鳴尾記念では折り合いに難しいところを見せて12着。距離短縮で巻き返しを狙いたいところだ。
せん6歳
調教師:和田勇介(美浦)
脚をしっかりとため、直線で勝負するスタイル。展開と馬場コンディションの影響を受けやすいタイプだ。多数の先行馬の参戦に加え、最終週の馬場が舞台となる今回は条件が合いそうで、前走とは違った結果を期待できそうだ。
昨年末のディセンバーS(リステッド・中山・芝1800メートル)がオープンクラスでの初勝利。年をまたいで急速に力をつけてきた印象で、前々走の小倉大賞典では大外から鋭く追い込み、勝ったエピファニーから0秒2差の2着に好走。重賞でも通用するところを示している。1番人気の支持を受けた前走の福島民報杯(リステッド・福島・芝2000メートル、8着)は、スタートの出遅れがこたえたのか、それとも距離が微妙に長かったのか、直線で思ったような伸びを見せられなかったが、上がり3ハロンタイム(推定)は出走馬中2位タイと悪くないもの。条件の合う一戦なら、巻き返しを期待できるはずだ。
せん6歳
調教師:上原佑紀(美浦)
コーナー通過4回の小回りコースは本馬のイメージにない条件設定だが、道中の折り合いを考慮すれば、走りやすいペースになるかもしれない。絞れた馬体を増やすことなく、スラッとした馬体で臨みたいところだ。
アドマイヤグルーヴ、エアグルーヴ、ダイナカールとさかのぼる母系は非常に優秀。高い期待を持ってデビューした一頭だが、年齢を重ねるに連れて気性の難しさが増していった印象があった。去勢手術をし、転厩で環境もガラッと変えた前走の3勝クラス・錦S(京都・芝1600メートル)では、14頭立ての12番人気と評価は低いものだったが、去勢の効果で馬体をスッキリと見せ、休養前とは明らかに違う雰囲気。勝ち時計の1分31秒8、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒3(推定)もかつてのイメージを覆すもので、フロック視は危険だろう。ハンデ戦なら昇級での重賞挑戦でも十分にチャンスがありそうだ。
(松浪 大樹)
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