2014年、2015年の当レースを連覇したベストウォーリアが、いずれの年も次走でJpnⅠのマイルチャンピオンシップ南部杯を制覇しているように、ダート路線の大一番にもつながる一戦。2012年以降は7月の中京開催で定着しているが、近年は開催日程の変更によって、2020年は阪神競馬場、2021年と2022年は小倉競馬場で行われ、今年も小倉競馬場が舞台となるが、今後のダート戦線を占う注目の一戦となることに変わりはないだろう。過去10年の結果を中心に、レースの攻略法を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、優勝馬は延べ10頭中9頭が5番人気以内だった。2着馬は7頭が3番人気以内と波乱度は低いように思えるが、小倉で行われた年は話が別。2021年は9番人気のメイショウカズサが勝利を収め、2着と3着に2桁人気馬が入って3連単190万円超の大波乱となった。2022年も2着と3着に2桁人気馬が入っているので、今年も波乱を警戒する必要がありそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-3-0-5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-2-2-4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-1-3-35 | 2.5% | 5.0% | 12.5% |
10番人気以下 | 0-2-3-59 | 0% | 3.1% | 7.8% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中16頭は前走がオープン特別で、そこで3着以内だった馬に限れば〔5・2・5・24〕(3着内率33.3%)となる。地方のレースから臨んだ馬が3着以内6回で続き、こちらも前走3着以内であれば〔3・2・0・12〕(3着内率29.4%)となる。一方、前走JRA重賞組で3着以内に入った4頭はいずれも前走で2桁着順に敗れていたが、そのうち3頭は小倉で行われた2021年、2022年の好走馬だった。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 1-3-0-17 | 4.8% | 19.0% | 19.0% |
オープン特別 | 5-2-9-70 | 5.8% | 8.1% | 18.6% |
3勝クラス | 1-1-0-10 | 8.3% | 16.7% | 16.7% |
地方のレース | 3-2-1-26 | 9.4% | 15.6% | 18.8% |
海外のレース | 0-2-0-1 | 0% | 66.7% | 66.7% |
2014年以降に夏の小倉開催で行われたオープンクラス・ダート1700メートル戦の計12レースにおいて、4コーナーを10番手以下で通過した馬は〔1・0・1・46〕と、極端な追い込みはほとんど決まっていない。小倉のダートコースは最後の直線が291.3メートルと短いこともあり、先行するか直線に入るまでにある程度のポジションに上がっておく必要があるのだろう。そこで、過去10年の前走の4コーナーの通過順別成績を調べると、前走の4コーナーを3番手以内で通過していた馬の好走率が高くなっている。中でも先頭で通過していた馬は〔4・3・1・9〕と半数近くが3着以内に入っている。これには2021年のプロキオンSで2桁人気ながら馬券に絡んだ2頭(トップウイナー、メイショウウズマサ)も含まれているので、前走で先行していた馬は押さえておきたい。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番手以内 | 7-6-2-33 | 14.6% | 27.1% | 31.3% |
4番手以下 | 5-6-10-96 | 4.3% | 9.4% | 17.9% |
小倉で行われた2021年と2022年において、サンデーサイレンス系種牡馬の産駒は〔0・0・1・11〕と苦戦しており、いずれの年も3番人気以内に支持された馬がいたものの4着以下に敗れている。また、これらの年の優勝馬はいずれも小倉・ダート1700メートル戦で勝利経験があったことも踏まえれば、サンデーサイレンス系以外の種牡馬の産駒でコース実績のある馬が狙い目といえそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 父 | 小倉・ダート1700mでの成績 |
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2021年 | メイショウカズサ | カジノドライヴ | 1戦1勝 |
2022年 | ゲンパチルシファー | トゥザグローリー | 4戦1勝2着1回3着2回 |
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