新潟大賞典では1番人気馬が17連敗中で、2番人気馬の優勝も2011年が最後。過去10年で2桁人気馬が2勝、2着2回、3着3回と躍動し、3連単の配当が50万円を超えたケースも3回を数える。難解なハンデ重賞の攻略法を探るべく、過去10年の結果を検証してみたい。
過去10年の前走別成績を調べると、GⅠ組と3勝クラス組の好走率に目が行く。どちらも出走数は多くないものの、GⅠ組は全8頭が5着以内と安定感が際立ち、2勝は2016年のパッションダンス(単勝10番人気)、2023年のカラテ(同5番人気)によるもの。近年は3勝クラス組の活躍も顕著で、ここ5年に限れば〔2・3・1・5〕と3着内率は50%を超えている。こちらも勝利した2頭はそれぞれ7番人気、10番人気と人気薄の台頭が目立っているので、今年も出走があればマークが必要だろう。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 2-1-0-5 | 25.0% | 37.5% | 37.5% |
GⅡ | 1-4-4-29 | 2.6% | 13.2% | 23.7% |
GⅢ | 2-1-1-40 | 4.5% | 6.8% | 9.1% |
オープン特別 | 3-1-3-43 | 6.0% | 8.0% | 14.0% |
3勝クラス | 2-3-2-9 | 12.5% | 31.3% | 43.8% |
海外のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
GⅡ・GⅢ・オープン特別組の狙い目を探ってみると、前走5着以内から臨んだ馬の3着内率が31.0%となっている。6着以下だった馬は同7.8%と振るわず、GⅢ・オープン特別で6着以下に敗れていた馬に限ると〔0・1・1・58〕(3着内率3.3%)と、特に厳しい結果になっている。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 5-3-5-29 | 11.9% | 19.0% | 31.0% |
6着以下 | 1-3-3-83 | 1.1% | 4.4% | 7.8% |
また、GⅡ・GⅢ・オープン特別から臨んで勝利を収めた6頭のうち5頭は、同年に行われたオープンクラスの芝2000メートル戦で3着以内に入っていた。この実績があるのとないのとでは好走率にも大きな差がついている。今年も出走各馬のオープンクラス実績はチェックしたいところだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-2-2-16 | 20.0% | 28.0% | 36.0% |
なし | 1-4-6-96 | 0.9% | 4.7% | 10.3% |
前走GⅠ組が挙げた2勝は共に7歳以上馬によるもの(2016年パッションダンス8歳、2023年カラテ7歳)で、その他にも2022年に7歳のレッドガランが単勝7番人気で優勝するなど、過去10年で7歳以上の馬が5勝を挙げている。また、3連単の配当が50万円を超えた3回では、2桁人気の6歳以上馬が馬券に絡んでいるので、穴馬を狙う際には年齢も気にしてみるといいだろう。〔表4〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 2-5-3-23 | 6.1% | 21.2% | 30.3% |
5歳 | 2-1-2-24 | 6.9% | 10.3% | 17.2% |
6歳 | 1-2-5-30 | 2.6% | 7.9% | 21.1% |
7歳以上 | 5-2-0-50 | 8.8% | 12.3% | 12.3% |
過去10年の優勝馬はいずれも、父または父の父が東京・芝2000メートル以上のGⅠを勝っていた。同じ左回りコースである東京競馬場でGⅠを勝っていた馬の産駒はチェックしておきたい。さらに絞り込むのであれば、父の系統に注目。近年は非サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が6連勝中となっている。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 父(東京・芝2000m以上のGⅠ勝利) | 父の父(東京・芝2000m以上のGⅠ勝利) |
---|---|---|---|
2014年 | ユールシンギング | シンボリクリスエス(天皇賞(秋)) | Kris S. |
2015年 | ダコール | ディープインパクト(日本ダービーなど) | サンデーサイレンス |
2016年 | パッションダンス | ディープインパクト(日本ダービーなど) | サンデーサイレンス |
2017年 | サンデーウィザード | ネオユニヴァース(日本ダービー) | サンデーサイレンス |
2018年 | スズカデヴィアス | キングカメハメハ(日本ダービー) | Kingmambo |
2019年 | メールドグラース | ルーラーシップ | キングカメハメハ(日本ダービー) |
2020年 | トーセンスーリヤ | ローエングリン | Singspiel(ジャパンカップ) |
2021年 | サンレイポケット | ジャングルポケット(日本ダービーなど) | トニービン |
2022年 | レッドガラン | ロードカナロア | キングカメハメハ(日本ダービー) |
2023年 | カラテ | トゥザグローリー | キングカメハメハ(日本ダービー) |
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