当レースはダート重賞が少なかった80年代に創設された歴史ある一戦。2001年からは開催時期が1回東京開催に移され、フェブラリーSの前哨戦に位置づけられた。昨年優勝のレモンポップ(次走でフェブラリーS制覇、秋にはチャンピオンズCも優勝)のように、ここからダート戦線の主役になる馬が今年も出てくるのか楽しみである。今回は過去10年の結果から傾向を探った。
過去10年では、前走で同じ東京コースの武蔵野Sを使われていた馬の成績がかなり優秀。ちなみに、チャンピオンズC組で馬券に絡んだ延べ6頭、兵庫ゴールドT組で馬券に絡んだ1頭も、2走前に武蔵野Sを使われていた。つまり、最初にチェックすべきは、昨秋の武蔵野Sを使われていたか否か。特に武蔵野Sで上位に好走していた馬は有力とみていい。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
武蔵野S | 4-2-1-7 | 28.6% | 42.9% | 50.0% |
カペラS | 2-2-1-18 | 8.7% | 17.4% | 21.7% |
チャンピオンズC | 2-1-3-9 | 13.3% | 20.0% | 40.0% |
兵庫ゴールドT | 1-0-0-15 | 6.3% | 6.3% | 6.3% |
マイルCS | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
オープン特別 | 0-4-5-50 | 0% | 6.8% | 15.3% |
直線が長い東京コースでは速い上がりの使える馬が有利。過去10年において、前走で上がり3ハロンタイム推定3位以内の末脚を使っていた馬と、同4位以下の馬では好走率がまったく違う。ちなみに、4位以下組で優勝した2020年のモズアスコットは当レースがダート初出走、同じく2016年のモーニンは前走以外の全てのレースで上がり3ハロン推定2位以内のタイムをマークしていた。〔表2〕
順位 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3位以内 | 7-3-6-34 | 14.0% | 20.0% | 32.0% |
4位以下 | 2-6-4-65 | 2.6% | 10.4% | 15.6% |
過去10年の当レースでは外国産馬の好走率がかなり高い。特にここ5年は、2019年のコパノキッキング(父Spring At Last)、2020年のモズアスコット(父Frankel)、2023年のレモンポップ(父Lemon Drop Kid)と外国産馬が3勝している。2021年は外国産馬の出走がなかったので、実質的には4年間で3勝となっているのだ。〔表3〕
産地 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
内国産 | 5-7-10-112 | 3.7% | 9.0% | 16.4% |
外国産 | 5-3-0-15 | 21.7% | 34.8% | 34.8% |
過去10年の根岸S優勝馬は、条件戦で圧倒的な力を発揮していたことが多く、10頭全てが連勝経験を持っていた。目安にしたいのは3連勝以上、もしくは2連勝を含む5戦連続連対以上の実績で、10頭中9頭はこのどちらかの実績を有していた。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 連勝記録 |
---|---|---|
2014年 | ゴールスキー | 3連勝(芝) |
2015年 | エアハリファ | 2連勝(5戦連続連対) |
2016年 | モーニン | 4連勝 |
2017年 | カフジテイク | 2連勝 |
2018年 | ノンコノユメ | 4連勝(6戦連続連対) |
2019年 | コパノキッキング | 3連勝 |
2020年 | モズアスコット | 4連勝(芝) |
2021年 | レッドルゼル | 2連勝(6戦連続連対) |
2022年 | テイエムサウスダン | 3連勝 |
2023年 | レモンポップ | 4連勝(9戦連続連対) |
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