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過去10年の優勝馬を振り返ると、ヨーロッパ勢と日本勢が4勝ずつと、芝2400メートルという競走条件なら、さもありなんという結果が出ている。今年はヨーロッパ勢が3頭、日本勢が4頭の手駒をそろえている。
日本の代表格は、2021年の日本ダービー(芝2400メートル)、2022年のドバイシーマクラシック(芝2410メートル)と、この路線のG1を2勝しているのに加え、前走のブリーダーズカップターフ(G1・芝2400メートル)でも3着に健闘したシャフリヤール(牡5歳)だろう。西海岸で行われたブリーダーズカップから、香港へ直行というのは、2021年のラヴズオンリーユー(香港カップ1着)と同じ臨戦態勢だ。厩舎は違うが、アウェイからアウェイへの転戦をいかに乗り切るか、ノウハウは伝承されているはずだ。【シャフリヤールは12月7日(木曜)に出走取りやめ】
セントライト記念(GⅡ・芝2200メートル)を勝っての参戦となるレーベンスティール(牡3歳)は、父リアルスティールが、香港でG1を2勝したラヴズオンリーユーの全兄だ。そして、連覇を狙っての出走だった前走のエリザベス女王杯(GⅠ・芝2200メートル)こそ痛恨の出遅れで5着に敗れたジェラルディーナ(牝5歳)は、父モーリスが、香港で3つのG1を制している馬である。さらに、アルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500メートル)を勝っての参戦となるゼッフィーロ(牡4歳)は、前述した香港G1・2勝馬のラヴズオンリーユーと、同じファミリーの出身になる。3頭とも、血統面から推測できるシャティン適性は間違いなく高い。
日本勢の前に立ちはだかるヨーロッパ勢の中心は、このレースの最多勝調教師(3勝)であるA.オブライエンが送り込むウォームハート(牝3歳)か。ここまでこの路線のG1を2勝しており、実績上位の存在だ。ヨーロッパ調教馬の場合、シャティンの馬場が合うかどうかがポイントとなるが、ヨーク、パリロンシャン、サンタアニタパークと、全くタイプの異なる馬場をことごとく上手にハンドリングしている同馬は、ここも問題なくこなしそうである。
さらに、このレースを過去2勝しているフランスの伯楽A.ファーブルが手掛けるのがジュンコ(せん4歳)だ。今年7月に、レコードでの決着となった地元フランスのサンクルー大賞(G1・芝2400メートル)でウエストオーバーの3着に健闘。前走ドイツに遠征してバイエルン大賞(G1・芝2400メートル)を制し、待望のG1初制覇を果たしている。道悪巧者である一方、時計の速い決着にも対応する多才さを見せており、ヨーロッパとは異なるシャティンの馬場でも力を発揮しそうである。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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