海外競馬発売

香港スプリント(G1)

シャティン競馬場 1200メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間12月9日(日曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間12月9日(日曜)午後3時40分

2018年香港スプリントレース結果・回顧

F.ロー厩舎所属として挑んだ香港スプリントをミスタースタニングが勝利

昨年の香港スプリントの勝ち馬ミスタースタニング(せん6歳)がロードカナロア(2012、2013年)以来となる連覇を達成。2着も昨年と同じディービーピンと、結果だけ見れば昨年と全く同じように見える。しかし、その中身は大きく異なっていた。

ミスタースタニングを管理するのは、昨シーズン開業したF.ロー調教師。昨シーズンはJ.サイズ厩舎の管理馬だったが、シーズン末にロー厩舎へと移ってきた。ロー調教師は転厩の理由を調教の合間に語った。

「シリアスな理由ではないですが、サイズ厩舎は綺羅星のような馬が多くいるのと、オーナーが私たちと英語よりも広東語でコミュニケーションを取りたかったからですね。こういった馬を預かったからには責任重大ですよ」

そして鞍上は、昨年のN.ローウィラー騎手に替わって香港に拠点を置くモーリシャス出身のK.ティータン騎手。日本にも何度か短期免許で来ているように、極めてレベルの高い香港において、常に上位の成績を収めている。しかし、南アフリカでは5つのG1を勝っていながら、香港ではまだ国際的なG1タイトルはない。レース前にはミスタースタニングでのこのレース騎乗への抱負とともに、小さな本音を漏らしていた。
「焦りはないですけど、まだ勝ってないのか、と思うと自分に対して残念だなとは思います。だから、今回の騎乗はものすごく重要です」

枠順が決まった翌日(7日・金曜日)も、ティータン騎手と話す機会があったので、枠順を踏まえた戦略を改めて尋ねた(ミスタースタニングは9番ゲート)。月曜日(3日)の段階ですでに「前走よりもホットキングプローンをつついてプレッシャーを与える」と語っていたからだ。
「ホットキングプローンがすぐ外の枠になったことはラッキーですよ。スタートして、ホットキングプローンの内で馬体が完全に並ばない程度で続けば、簡単にはインに入って来られません。あの枠(ホットキングプローンは11番ゲート)ですから中途半端に控えて外を回すよりも、あの馬は行き切ってインに入りたいはずです。それをできるだけ遅らせることができますし、ここで脚を使わせてしまえば、それだけこちらにチャンスが多くなります」

そういった意味では、枠順抽せんの時点で運が向き始めていたのかもしれない。

スタートしてアイヴィクトリー、ミスタースタニング、ホットキングプローンが好スタートを切る。ティータンがミスタースタニングを少し促し、ホットキングプローンより少し前に出る。もちろんホットキングプローンはこれをかわして前に行こうとするのだが、前走はスタート後200メートルの時点で1馬身半は抜けていたのに対し、この日はようやっとかわし切るかどうかというところ。ティータンの狙い通りだ。さらに、ホットキングローンが完全に先頭に立ち、インに切れ込んだところに、外から行き脚のついたアイヴィクトリーが果敢に並びかけてきた。ここで息を入れたかったホットキングプローンにとっては苦しい展開となった一方で、ミスタースタニングにとっては願ってもない形となった。

  • ミスタースタニングが香港スプリント連覇のゴール

  • 馬上でタッチをかわすクリッパートン騎手(左)とティータン騎手(右)

「アイヴィクトリーが外からホットキングプローンにプレッシャーを与えてくれたところで、小さく『よしっ』と思いました。その分、こちらはリラックスして追走できました」

4コーナーでは内にディービーピンが並び、外からファインニードル(牡5歳、栗東・高橋 義忠 厩舎)が迫ってくるが、昨年の覇者にはまだまだ余裕があった。直線に向いてアイヴィクトリーのひとつ外に持ち出すと、残り200メートルで先頭に並ぶ。内のホットキングプローンはプレッシャーを受け続けたためかもはや余力がない。間を縫うように内からディービーピン、大外からビートザクロックと残るサイズ勢が迫ってきたが、ゴールではこれをしっかりと退け、ロードカナロア以来の連覇を果たした。奇しくも2年前、ミスタースタニングが香港国際競走当日に勝ったレース名も、ロードカナロアハンデだった。

惜しくも2着となったS.クリッパートン騎手と引き上げてくる馬上でタッチを交わす。
「勝てなかったことは残念ですが、とてもいいレースができたと思います」
そうクリッパートン騎手は笑顔でレースを振り返った。

「去年の香港は騎乗停止中で、国際競走をスタンドで眺めているだけでした。それが今年はこんな場に立てるなんて…。こんな歓声も聞いたことがありません。ドリームカムトゥルー」 14歳で南アフリカの騎手養成アカデミーの門を叩いたモーリシャス人ジョッキーは、香港で初の国際G1タイトルを手にした。自身が南アフリカで初めてG1を勝ってちょうど10年目での夢の達成だ。

「今日はカリス(・ティータン)がいい仕事をしてくれました」
地元出身の52歳の調教師は開業2年目の偉業に自身のこれまでを振り返る。
「調教師ライセンスを取るまでにとても長い時間を要しました。その時間のおかげで今日があると思います。いいボス(=サイズ調教師)に恵まれましたし、いい馬を引き継いできちんと結果を出せたと思います」
しかし、偉業はこれだけで終わらない。この約2時間後にローはさらに大仕事をやってのける。

文:土屋 真光

8着 ファインニードル 高橋 義忠 調教師のコメント
「春(チェアマンズスプリントプライズ)と比べて全体的に理想的な状態でした。良いスイッチを持っているのでジョッキーが跨った瞬間に目が変わりました。ゲートで待たされ、戦闘モードから息が抜けてしまったので、これが一番の敗因だと思います。また来年頑張りたいです」

8着 ファインニードル 川田 将雅 騎手のコメント
「馬の状態はスプリンターズSの時より素晴らしく良かったです。自信を持ってゲートに入りましたが、待たされて馬が気持ちを失ってしまい、その分ルーズにスタートしてスピードに乗れませんでした。ファインニードルは悪くありません。運がついていなかったです」

6着 アイヴィクトリー C.ルメール 騎手のコメント
「少し馬が行きたがっていました。もう少し良い走りをしてくれると思っていましたが、最後の100メートルでもたついてしまいました」

  • 香港スプリント表彰式

  • ロー調教師は香港カップもグロリアスフォーエバーで制し、香港国際競走2勝

  • ファインニードル

2018年12月9日(日) シャティン競馬場(香港)

5R

第20回 香港スプリント(G1)

3歳以上 定量 1200m 芝・右
賞金総額20,000,000香港ドル 発走  14:40 (現地時間)
1着賞金11,400,000香港ドル 芝:良
着順 馬番
(ゲート)
馬 名 (生産国)



騎手 タイム ・
着差



(kg)
調教師 (調教国)


1 2 (09) ミスタースタニング(AUS) せん6 57.0 K.ティータン 1:08.85 505 F.ロー(HK) 2
2 3 (02) ディービーピン(NZ) せん6 57.0 S.クリッパートン 3/4 517 J.サイズ(HK) 6
3 4 (08) ビートザクロック(AUS) せん5 57.0 R.ムーア 1 1/4 506 J.サイズ(HK) 4
4 12 (07) リトルジャイアント(NZ) せん6 57.0 Z.パートン 1 3/4 478 D.ホール(HK) 7
5 11 (04) ボーンインチャイナ(GB) せん7 57.0 D.ホワイト 3 1/4 491 K.ルイ(HK) 10
6 1 (06) アイヴィクトリー(AUS) せん5 57.0 C.ルメール 3 1/4 480 J.サイズ(HK) 5
7 10 (03) リムズクルーザー(AUS) せん6 57.0 H.ボウマン 3 1/2 533 S.グレイ(SIN) 9
8 6 (12) ファインニードル(JPN) 牡5 57.0 川田 将雅 4 473 高橋 義忠(JPN) 3
9 5 (11) ホットキングプローン(AUS) せん4 57.0 J.モレイラ 4 1/2 533 J.サイズ(HK) 1
10 8 (01) ウィナーズウェイ(AUS) せん6 57.0 S.デソウサ 5 508 A.クルーズ(HK) 8
11 7 (05) サーダンスアロット(IRE) せん4 57.0 G.モッセ 5 1/4 553 D.エルスワース(GB) 11
取消 9 (10) ピンウースパーク(NZ) せん6 57.0 J.マクドナルド 610 T.ユン(HK)  
 着差は1着馬からの着差を表しております。
払戻金
単勝 2 320円 2番人気 馬連 2-3 2,210円 9番人気 馬単 2-3 3,630円 16番人気
複勝 2
3
4
120円
350円
240円
1番人気
7番人気
4番人気
ワイド 2-3
2-4
3-4
670円
480円
1,470円
7番人気
5番人気
18番人気
3連複 2-3-4 3,060円 12番人気
3連単 2-3-4 13,970円 48番人気
返還馬番 9番

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