海外競馬発売

香港カップ(G1)

シャティン競馬場 2000メートル(芝)3歳以上

発売開始時刻
日本時間12月9日(日曜)
ネット投票:午前7時00分
UMACA投票:午前9時20分または午前9時30分
発走予定時刻
日本時間12月9日(日曜)午後5時30分

2018年香港カップレース結果・回顧

先行した兄弟馬をめぐっての攻防。レースを制したのは弟のグロリアスフォーエバー

総賞金2800万香港ドル(約3億9200万円)、1着賞金1596万香港ドル(約2億2344万円)の香港カップ(G1・香港。芝2000メートル)は4つの国際レースの中でもメインとして行われるレース。第8レースで、4つの“トリ”として行われた。

出走馬は9頭。地元香港馬が5頭、日本馬調教が3頭、他にイギリスからの遠征馬1頭という内訳。現地では国別に勝ち馬を当てる馬券も発売され、このレースは発走直前で日本馬が1.4倍、香港馬が2.1倍、イギリス馬(ストーミーアンタークティック1頭)が59倍というオッズになっていた。

レース前から展開がカギになるとみられたこのレース。地元香港馬で昨年の覇者でもあるタイムワープ(せん5歳)と同じく地元のグロリアスフォーエバー(せん4歳)の出方が注目された。
全兄弟にあたるこの2頭は戦法的にもどちらも出来ればハナを奪いたい。ここ2走、連続で一緒に走っており、前々走(G3のレディースパース)はタイムワープが逃げ、2番手がグロリアスフォーエバーで、結果はそのまま1、2着でゴールに飛び込んだ。しかし、前走(G2の香ジョッキークラブカップ)ではスタート直後の番手は同じだったが、2番手のグロリアスフォーエバーが「2度連続で同じ形で逃げ切りを許すわけにはいかない」とばかりに競りかけたため、レコードタイムを誘発する流れとなり、2頭は共倒れ。グロリアスフォーエバーが6着、タイムワープはしんがり9着に終わっていた。

果たして今回はどうなるのか注目されたが、狙ったわけではないだろうが、結果的に近2走がこのレースの流れに大きな影響を及ぼすことになる。

ゲートが開くと1番枠のグロリアスフォーエバーが先頭へ。J.モレイラ騎手から乗り替わったS.デソウサ騎手が押してハナを奪いにいった。スタート自体はグロリアスフォーエバーより速かったタイムワープが一瞬、競りかけて先頭へ行くか?!という気配を見せたが、そこでコーナーに差し掛かったため(タイムワープ騎乗の)Z.パートン騎手が諦めて2番手。デソウサ騎手がアドバンテージを手にした。

前走で共倒れとなった先行2騎は、さすがに同じ轍は踏めないとばかりに激しく競り合うことはなかった。グロリアスフォーエバーの逃げは前半の800メートルが50秒56で1200メートル通過は1分14秒62。遅い。しかし、各騎手が先行2騎の前走の共倒れを知っているせいか、前を追いかけようとしない。デソウサ騎手としてはこの逃げは、多少無理はしても決して無謀ではない戦法だったわけだ。

前半800メートル通過地点で先頭グロリアスフォーエバーと2番手タイムワープの差は2馬身1/4。そこからさらに2馬身1/2差の3番手にノーザンスーパースター。さらに2馬身3/4遅れて日本のサングレーザー(牡4歳、栗東・浅見 秀一 厩舎)。2馬身離れて同じく日本のディアドラ(牝4歳、栗東・橋田 満 厩舎)がいて、その後ろがかたまる形で外にシーズンズブルームがいて、内にこれが5度目の香港遠征となるステファノス(牡7歳、栗東・藤原 英昭 厩舎)。これにゴールドマウントが続き、1/2馬身後ろの最後方からイギリスのストーミーアンタークティック。先頭から最後方までは2秒以上。スローペースなのに馬群がバラけるという先行馬に有利な展開となった。

  • 逃げた2騎に後続が詰め寄ろうとする

  • 香港馬グロリアスフォーエバーが逃げ切り勝ち

3コーナーから4コーナー。順列に大きな変わりはないが、徐々に前と後ろとの差が詰まる。先頭グロリアスフォーエバーの鞍上ではデソウサ騎手が股下から後続の動きをチェック。その視線には少し差を詰めたタイムワープ、さらにその後ろのノーザンスーパースターあたりが見えたことだろう。

4コーナーをカーブして直線に向く。先頭は依然グロリアスフォーエバー。外からタイムワープがジリジリと差を詰める。3番手ノーザンスーパースターの外から少しずつ追い上げてきたのがサングレーザー。コーナーから直線の立ち上がりでそのまま外へ出し、追走態勢に入ったのがディアドラだ。 ラスト300メートル、200メートルとゴールまでの距離は縮まるが、前半のペースが遅かった分、上がりが速くなっているため、なかなか前との差が詰まらない。

タイムワープは1度、先頭を捕らえそうな脚を見せたものの、余力のあるグロリアスフォーエバーが再び伸びると逆に突き放されてしまう。ラスト150メートルを切ってようやくエンジンに点火したディアドラが大外から伸び、サングレーザー、ノーザンスーパースターをかわし、グロリアスフォーエバーとタイムワープとの差を急激に詰める。そしてゴール寸前でタイムワープを捕らえたが、その時、すでに1馬身前ではグロリアスフォーエバーがゴール板前を駆け抜けていた。2着がディアドラで3着はタイムワープ。サングレーザーはゴール前でノーザンスーパースターをかわし4着に上がったが、ラスト400メートルが23秒00という上がりの速い流れとなったため最後まで見せ場のないまま終わってしまった。

「レースで自分が乗るのは初めてだったから比較は出来ないけど、落ち着いて走ってくれていました。ベースを香港に移し大仕事が出来て本当にうれしいです」

“今日の敗者は明日の勝者”を地で行く乾坤一擲のショットを決めたデソウサ騎手はこれが初の香港カップ制覇。イギリスで2015、2017、そして今年2018年に平地チャンピオンとなった実力の持ち主。満面の笑みでそう語った。

香港スプリントを制したミスタースタニングに続き、この日、2つ目の国際G1制覇を成し遂げたのはF.ロー調教師。
「競り合った前走は失速したけど、今日は持ち前のスピードをフルに発揮出来た。必ずしも逃げないとダメという馬ではないので2番手でも良いと考えていたけど、今日はジョッキーが上手に逃げてくれました」
下級条件時代からレコード勝ちをするなど、非凡なスピードを持っていたが、初めてのG1出走でこれを制して、今後ますますの活躍が見込める管理馬に対し、指揮官は目を細めてそうコメントした。

  • 笑顔のデソウサ騎手(中央)

  • ディアドラは2着

2着ディアドラは橋田調教師が「自分の競馬に徹し、よく走ってくれています。前が止まらなかったので仕方ありません」と言えば、騎乗したルメール騎手も「サングレーザーを見ながらよい位置で走れたけど、エンジンがかかるまで少し時間がかかりました。その分、勝つまではいきませんでした」と語った。
また、4着サングレーザーの浅見秀一調教師は「仕上がりは良かったし、騎手も完璧に乗ってくれたけど、着順だけが残念でした」と淡々と語り、最下位9着に敗れたステファノス(牡7歳、栗東・藤原 英昭 厩舎)の藤原英昭調教師は「頑張って走ってくれているけど、年齢的なモノも否めないかも……」と言い、唇を噛んだ。

文:平松 さとし

注記:1香港ドル=14円で換算。

  • サングレーザー

  • ステファノス

2着 ディアドラ 橋田 満 調教師のコメント
「仕上がり、体調はドバイの時より良かったです。ゲートも良く出て道中の位置取りも良かったが、少頭数でペースが落ち着き、最後に差し切れなかったです。この馬の持ち味は発揮してくれました」

2着 ディアドラ C.ルメール 騎手のコメント
サングレーザーの後ろを追走しました。その後スピードを上げてゴールまで走り、全力を出しました」

4着 サングレーザー 浅見 秀一 調教師のコメント
「良く走ってくれたけど残念でした。ジョッキーも上手く乗ってくれましたし、馬の状態も良かったです。」

4着 サングレーザー J.モレイラ 騎手のコメント
「良い競馬をしたけれど、香港の馬が強かったです。サングレーザーは良く走ってくれました」

9着 ステファノス 藤原 英昭 調教師のコメント
「馬は良い状態でした。内枠なのでもう少し前に行きたかったが出負けしてしまいました。騎手は良く乗ってくれました」

9着 ステファノス W.ビュイック 騎手のコメント
「良く走ってくれました。スタートが遅くなったので、内にポジションをとりました。ラスト100メートルからはワンペースになってしまいました。」

2018年12月9日(日) シャティン競馬場(香港)

8R

第32回 香港カップ(G1)

3歳以上 定量 2000m 芝・右
賞金総額28,000,000香港ドル 発走  16:35 (現地時間)
1着賞金15,960,000香港ドル 芝:良
着順 馬番
(ゲート)
馬 名 (生産国)



騎手 タイム ・
着差



(kg)
調教師 (調教国)


1 8 (01) グロリアスフォーエバー(GB) せん4 57.0 S.デソウサ 2:01.71 529 F.ロー(HK) 4
2 9 (02) ディアドラ(JPN) 牝4 55.5 C.ルメール 1 499 橋田 満(JPN) 1
3 2 (07) タイムワープ(GB) せん5 57.0 Z.パートン 1 1/4 564 A.クルーズ(HK) 3
4 1 (06) サングレーザー(JPN) 牡4 57.0 J.モレイラ 2 1/2 478 浅見 秀一(JPN) 2
5 3 (09) ノーザンスーパースター(SAF) 牡5 57.0 K.ティータン 2 3/4 518 A.ミラード(HK) 8
6 5 (05) ゴールドマウント(GB) せん5 57.0 O.マーフィー 3 3/4 457 R.ギブソン(HK) 5
7 4 (04) シーズンズブルーム(AUS) せん6 57.0 R.ムーア 4 481 C.シャム(HK) 9
8 6 (08) ストーミーアンタークティック(GB) せん5 57.0 J.ドイル 4 489 E.ウォーカー(GB) 7
9 7 (03) ステファノス(JPN) 牡7 57.0 W.ビュイック 4 3/4 484 藤原 英昭(JPN) 6
 着差は1着馬からの着差を表しております。
払戻金
単勝 8 920円 4番人気 馬連 8-9 1,390円 5番人気 馬単 8-9 3,620円 12番人気
複勝 8
9
2
240円
120円
220円
4番人気
1番人気
3番人気
ワイド 8-9
2-8
2-9
460円
520円
440円
6番人気
7番人気
5番人気
3連複 2-8-9 1,950円 8番人気
3連単 8-9-2 15,490円 47番人気

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