18頭すべてが重賞ウィナー、うち10頭がGⅠ馬という豪華メンバーが集結した安田記念（GⅠ）。ハイレベルな一戦を鮮やかに差し切ったのは、ソングラインだ。

東京新聞杯を逃げ切っているウインカーネリアンがハナに立ち、大阪杯勝ち馬ジャックドール、マイルGⅠ3勝のソダシが続く。好位にはフェブラリーS連覇のカフェファラオ、マイルCSを制したセリフォス、NHKマイルCを勝ったばかりのシャンパンカラーらが構え、この路線に矛先を向けたガイアフォース、昨年1番人気8着の雪辱を誓うイルーシヴパンサー、マイラーズC3着のソウルラッシュ、京王杯スプリングCで重賞初制覇を飾ったレッドモンレーヴらは中団から。一昨年3着・昨年2着のシュネルマイスターは“三度目の正直”を狙って、昨年のチューリップ賞1着のナミュールや高松宮記念の勝ち鞍を持つナランフレグなどと後方を進む。

18番ゲートから出たソングラインは中団馬群の外。鞍上の戸崎圭太騎手いわく「中2週だけれど状態は前走からさらに上がっている。スタートも決まり、いいポジションに収まることができた」と、自信満々の追走だったという。

そして直線。残り400メートルで先頭に立ったジャックドールを、直後からセリフォスが追撃。この争いに外から迫ったのがソングラインだ。2頭を並ぶ間もなく交わし去ったソングラインは、シュネルマイスターやガイアフォースの追い込みも封じて先頭ゴールを飾る。

これでソングラインは、昨年の安田記念、前走のヴィクトリアマイルに続いて東京・芝1600メートルのGⅠを3連勝。「道中の手応えは良く、追い出してからも抜群の伸びだった」という戸崎騎手の言葉通り、得意の舞台で力強く弾けてつかんだ鮮やかな勝利だった。

（谷川　善久）