2021年 重賞レース一覧安田記念
静かな雨も午後にはあがって、良馬場で迎えることとなった安田記念(GⅠ)。連覇を目指すグランアレグリアが断然人気に支持され、次いで一昨年の1着馬インディチャンプ、朝日杯フューチュリティSの勝ち鞍を持つサリオス、NHKマイルCを差し切った3歳馬シュネルマイスターと続く。
これら並みいる強豪たちを下したのがダノンキングリーだ。
かつてデビュー3連勝を飾り、3歳クラシックで注目を浴びたダノンキングリー。だが皐月賞3着、日本ダービー2着と涙を飲み、その後もマイルチャンピオンシップ5着、大阪杯3着など、どうしてもGⅠタイトルには手が届かないでいた。ここは昨年の天皇賞(秋)12着以来、約7か月ぶりの実戦、8番人気、単勝オッズは47.6倍。それでも、初めて手綱を託された川田将雅騎手は「もともと能力の高い馬。レースで戦って走りも見てきた。イメージはできている」と、ひそかに自信を抱いての出走だった。
ダイワキャグニーが先導し、1000メートル通過57秒8の緩みない流れで進んだ隊列が直線へと向かう。坂上でインディチャンプが抜け出すと、これに外からダノンキングリーとシュネルマイスターが襲い掛かり、馬群を割ってグランアレグリアも鋭い伸びを見せる。
中でも光ったのがダノンキングリーのしぶとい末脚だ。「道中のリズムが良く、脚を溜めることができた。これなら動ける」という川田騎手の感触通り、ダノンキングリーは力強く駆ける。シュネルマイスターを競り落としながらインディチャンプをかわし、グランアレグリアの猛追もアタマ差しのぎきって先頭ゴールを果たす。
「こういうメンバーでも勝ち切れる。これがこの馬の本来の姿」と川田騎手。期待された素質馬が、期待にたがわぬ走りを取り戻して成し遂げた、悲願のGⅠ初制覇である。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 11 | ダノンキングリー | 牡5 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:31.7 |
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33.1 | 456(+6) | 萩原 清 | 8 | ||
2 | 5 | グランアレグリア | 牝5 | 56.0 | C.ルメール | 1:31.7 | アタマ |
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32.9 | 502(+4) | 藤沢 和雄 | 1 | |
3 | 13 | シュネルマイスター | 牡3 | 54.0 | 横山 武史 | 1:31.8 | 1/2 |
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33.4 | 474(-6) | 手塚 貴久 | 4 | |
4 | 8 | インディチャンプ | 牡6 | 58.0 | 福永 祐一 | 1:31.9 | クビ |
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33.5 | 484(+6) | 音無 秀孝 | 2 | |
5 | 9 | トーラスジェミニ | 牡5 | 58.0 | 戸崎 圭太 | 1:32.1 | 1 1/4 |
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34.2 | 472(-4) | 小桧山 悟 | 13 | |
6 | 10 | カデナ | 牡7 | 58.0 | 武 豊 | 1:32.2 | 1/2 |
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33.2 | 480(-4) | 中竹 和也 | 14 | |
7 | 6 | ダノンプレミアム | 牡6 | 58.0 | 池添 謙一 | 1:32.3 | 1 |
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34.1 | 510(+10) | 中内田 充正 | 6 | |
8 | 1 | サリオス | 牡4 | 58.0 | 松山 弘平 | 1:32.4 | クビ |
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33.7 | 536(-2) | 堀 宣行 | 3 | |
9 | 2 | ギベオン | 牡6 | 58.0 | 西村 淳也 | 1:32.6 | 1 1/4 |
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34.2 | 512(0) | 藤原 英昭 | 11 | |
10 | 12 | ケイデンスコール | 牡5 | 58.0 | 岩田 康誠 | 1:32.6 | アタマ |
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33.9 | 470(0) | 安田 隆行 | 5 | |
11 | 3 | ダイワキャグニー | せん7 | 58.0 | 石橋 脩 | 1:32.7 | 1 |
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34.9 | 492(-2) | 菊沢 隆徳 | 12 | |
12 | 14 | カテドラル | 牡5 | 58.0 | 田辺 裕信 | 1:32.8 | アタマ |
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33.9 | 488(+4) | 池添 学 | 9 | |
13 | 4 | カラテ | 牡5 | 58.0 | 菅原 明良 | 1:33.0 | 1 1/4 |
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34.1 | 526(-4) | 高橋 祥泰 | 10 | |
14 | 7 | ラウダシオン | 牡4 | 58.0 | M.デムーロ | 1:34.5 | 9 |
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36.3 | 516(+2) | 斉藤 崇史 | 7 |
ハロンタイム | 12.3 - 11.0 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 11.2 - 11.0 - 11.7 |
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上り | 4F 45.3 - 3F 33.9 |
3コーナー | (*3,9)(6,7)(2,8,13)11(1,12)5(4,10,14) |
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4コーナー | 3,9(6,7)(2,8,13)(1,11,12)5(4,14)10 |
勝馬 | ダノンキングリー [牡5・黒鹿毛] 父:ディープインパクト 母:マイグッドネス |
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馬主 | 株式会社ダノックス |
生産地 | 北海道浦河郡浦河町 |
生産牧場 | 三嶋牧場 |
戦績 | 12戦6勝 |
獲得賞金 | 487,796,000円 |
主な勝鞍 | 重賞4勝目 2019年 共同通信杯(GⅢ) 2019年 毎日王冠(GⅡ) 2020年 中山記念(GⅡ) |
騎手 | 川田 将雅:3勝目 2015年 モーリス 2017年 サトノアラジン |
調教師 | 萩原 清:初勝利 |