2020年 重賞レース一覧農林水産省賞典 安田記念
フルゲートには満たなかったものの、GⅠウィナー10頭と充実のメンバー構成で行われた安田記念(GⅠ)。中でも注目の的はGⅠ・7勝の実績を誇るアーモンドアイ。超豪華な顔ぶれに混じりながらも単勝オッズ1.3倍の断然人気に推されることになる。
が、昨年3着の雪辱も、8つ目のGⅠタイトル獲得も、アーモンドアイは果たせずに終わる。大望を打ち砕いたのは、グランアレグリアだ。
グランアレグリアもまた桜花賞のGⅠタイトルを持つ存在だ。NHKマイルCでは1番人気に応えられなかったが、その後は、阪神Cが5馬身差の圧勝、前走・高松宮記念では重馬場を鋭く追い込んで僅差2着と、あらためて能力の高さをアピール。鞍上の池添謙一騎手が「返し馬で状態の良さを感じた」と語る、仕上がり絶好での出走だった。
レースはダノンスマッシュの先導で進んだ。朝日杯フューチュリティS勝ちのあるダノンプレミアムやNHKマイルCと香港マイルの覇者アドマイヤマーズらが先団を形成し、連覇を狙うインディチャンプ、そしてアーモンドアイらは中団。東京・芝1600メートルのレコードホルダー・ノームコアは後方に構える。グランアレグリアは中団のやや前寄り。「まずは折り合いが大事な馬だけれど、いいリズム、いいポジションでレースを運べた」という、万全の追走である。
勝負は直線へ。グランアレグリアは坂を駆け上がりながら突き抜けていく。池添騎手が「有力馬が後ろにいるのはわかっていたが、自信を持って動かしていった」と振り返る、早めかつ豪快なスパートだ。その勢いには誰もかなわず、グランアレグリアは、アーモンドアイ、インディチャンプ、ノームコアの壮絶な2着争いを2馬身半も後方に見てゴールへと達する。完勝といえる、2回目のマイルGⅠ制覇だった。
「いいメンバーのレースで勝てたことで、この馬の価値も上がったと思う」と池添騎手。グランアレグリアはまだ4歳、キャリアはわずか8戦、そして、この内容。それらを考え合わせれば、自らの価値を高める走りをもっともっと見せられるはずだ。先々が楽しみになる、新マイル女王の誕生となった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 11 | グランアレグリア | 牝4 | 56.0 | 池添 謙一 | 1:31.6 |
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33.7 | 492(+6) | 藤沢 和雄 | 3 | ||
2 | 5 | アーモンドアイ | 牝5 | 56.0 | C.ルメール | 1:32.0 | 2 1/2 |
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33.9 | 488(+2) | 国枝 栄 | 1 | |
3 | 6 | インディチャンプ | 牡5 | 58.0 | 福永 祐一 | 1:32.1 | 1/2 |
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34.1 | 480(+4) | 音無 秀孝 | 2 | |
4 | 3 | ノームコア | 牝5 | 56.0 | 横山 典弘 | 1:32.1 | クビ |
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33.8 | 466(0) | 萩原 清 | 7 | |
5 | 8 | ケイアイノーテック | 牡5 | 58.0 | 津村 明秀 | 1:32.3 | 1 1/4 |
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34.3 | 464(-4) | 平田 修 | 11 | |
6 | 9 | アドマイヤマーズ | 牡4 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:32.3 | クビ |
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34.7 | 476(+6) | 友道 康夫 | 6 | |
7 | 2 | ダノンキングリー | 牡4 | 58.0 | 戸崎 圭太 | 1:32.4 | 3/4 |
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34.6 | 456(0) | 萩原 清 | 5 | |
8 | 14 | ダノンスマッシュ | 牡5 | 58.0 | 三浦 皇成 | 1:32.4 | ハナ |
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35.1 | 476(+4) | 安田 隆行 | 8 | |
9 | 7 | ペルシアンナイト | 牡6 | 58.0 | 田辺 裕信 | 1:32.7 | 1 3/4 |
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34.6 | 502(0) | 池江 泰寿 | 10 | |
10 | 13 | ヴァンドギャルド | 牡4 | 58.0 | 岩田 望来 | 1:32.7 | クビ |
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34.8 | 474(0) | 藤原 英昭 | 9 | |
11 | 10 | ミスターメロディ | 牡5 | 58.0 | 北村 友一 | 1:33.2 | 3 |
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35.7 | 504(+5) | 藤原 英昭 | 12 | |
12 | 12 | セイウンコウセイ | 牡7 | 58.0 | 内田 博幸 | 1:33.4 | 1 |
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35.6 | 506(-8) | 上原 博之 | 14 | |
13 | 1 | ダノンプレミアム | 牡5 | 58.0 | D.レーン | 1:33.6 | 1 1/4 |
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36.0 | 506(前計不) | 中内田 充正 | 4 | |
14 | 4 | クルーガー | 牡8 | 58.0 | 石橋 脩 | 1:33.8 | 1 1/4 |
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35.4 | 532(+2) | 高野 友和 | 13 |
ハロンタイム | 12.1 - 10.9 - 11.2 - 11.5 - 11.6 - 11.4 - 11.0 - 11.9 |
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上り | 4F 45.9 - 3F 34.3 |
3コーナー | 14,10(1,9,12)(2,13)11(6,7)5(3,8)-4 |
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4コーナー | 14,10(1,9)(2,12)(6,13,11,8)(5,7)(3,4) |
勝馬 | グランアレグリア [牝4・鹿毛] 父:ディープインパクト 母:タピッツフライ |
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馬主 | 有限会社 サンデーレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 8戦5勝 |
獲得賞金 | 453,243,000円 |
主な勝鞍 | 重賞4勝目 2018年 サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ) 2019年 桜花賞(GⅠ) 2019年 阪神カップ(GⅡ) |
騎手 | 池添 謙一:初勝利 |
調教師 | 藤沢 和雄:3勝目 1997年 タイキブリザード 1998年 タイキシャトル |