2019年 重賞レース一覧農林水産省賞典 安田記念
安田記念(GⅠ)は二強対決に沸いた。昨年の年度代表馬アーモンドアイは、今季初戦のドバイターフも快勝。さらなるタイトル上積みは確実と目され、単勝オッズ1.7倍の断然人気に推される。対するダノンプレミアムも、復帰後の2戦で強さをアピール、サウジアラビアロイヤルCのレコード勝ちがあってコース&スピード競馬に不安なし。アーモンドアイの連勝阻止を期待され、単勝オッズは3.2倍となった。
だが、この一騎打ちムードをインディチャンプが打ち砕くことになる。
昨春以降、一貫してマイル戦ばかり使われているインディチャンプ。手綱を取る福永祐一騎手が「いずれ重賞を勝てる馬。その先にも行ける」と感じた通り、1000万下、1600万下、そして東京新聞杯で重賞初制覇と突き進んできた。前走・マイラーズCは4着に敗れたものの、「調子はいい。ここでも好勝負できる」と、自信を持っての参戦だ。
「ただし相手も強力。完璧に乗らないと太刀打ちできない」
その“完璧”を、インディチャンプと福永騎手は遂行する。
ゲートを出た直後に不利を受けたアーモンドアイとダノンプレミアムは、後方馬群の外に位置を取る。これに対しインディチャンプは絶好のスタートを決め、アエロリットが作るペースを好位の内で追走、距離ロスなく3コーナー、4コーナーと回っていく。
やがて直線。アエロリットがグァンチャーレを振り切って逃げ込みを図るところへ、インディチャンプが襲い掛かる。「早く抜け出すと遊んでしまうから」と冷静にタイミングを待ってのスパートだ。大外からはアーモンドアイがさすがの末脚で飛んできたものの、これを封じ込めたインディチャンプは、アエロリットをクビ差だけ差し切って先頭ゴール。難敵を下してGⅠ初挑戦初制覇を果たしてみせたのである。
「何もかもイメージ通りにいった。でも偶然では勝てない。GⅠ馬にふさわしい走りだった」と福永騎手が振り返った通り、力と技ががっちりと組み合わさったうえでの栄冠であった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 5 | インディチャンプ | 牡4 | 58.0 | 福永 祐一 | 1:30.9 |
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32.9 | 470(0) | 音無 秀孝 | 4 | ||
2 | 2 | アエロリット | 牝5 | 56.0 | 戸崎 圭太 | 1:30.9 | クビ |
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33.9 | 516(+4) | 菊沢 隆徳 | 3 | |
3 | 14 | アーモンドアイ | 牝4 | 56.0 | C.ルメール | 1:30.9 | ハナ |
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32.4 | 484(前計不) | 国枝 栄 | 1 | |
4 | 6 | グァンチャーレ | 牡7 | 58.0 | 松岡 正海 | 1:31.1 | 1 1/2 |
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33.9 | 472(0) | 北出 成人 | 13 | |
5 | 4 | サングレーザー | 牡5 | 58.0 | 岩田 康誠 | 1:31.1 | ハナ |
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32.9 | 486(-2) | 浅見 秀一 | 6 | |
6 | 7 | モズアスコット | 牡5 | 58.0 | 坂井 瑠星 | 1:31.2 | クビ |
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33.1 | 488(-8) | 矢作 芳人 | 7 | |
7 | 1 | ケイアイノーテック | 牡4 | 58.0 | 幸 英明 | 1:31.3 | 1/2 |
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32.7 | 466(-4) | 平田 修 | 10 | |
8 | 8 | ステルヴィオ | 牡4 | 58.0 | D.レーン | 1:31.3 | ハナ |
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32.6 | 486(+8) | 木村 哲也 | 5 | |
9 | 16 | ロジクライ | 牡6 | 58.0 | 武 豊 | 1:31.4 | 1/2 |
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33.8 | 512(-2) | 須貝 尚介 | 11 | |
10 | 13 | ペルシアンナイト | 牡5 | 58.0 | M.デムーロ | 1:31.8 | 2 1/2 |
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32.7 | 494(0) | 池江 泰寿 | 8 | |
11 | 3 | サクラアンプルール | 牡8 | 58.0 | 横山 典弘 | 1:31.9 | 1/2 |
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33.3 | 486(+2) | 金成 貴史 | 15 | |
12 | 12 | ロードクエスト | 牡6 | 58.0 | 石川 裕紀人 | 1:31.9 | ハナ |
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34.1 | 464(0) | 小島 茂之 | 16 | |
13 | 9 | スマートオーディン | 牡6 | 58.0 | 池添 謙一 | 1:32.0 | 3/4 |
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33.4 | 500(-4) | 池江 泰寿 | 12 | |
14 | 10 | フィアーノロマーノ | 牡5 | 58.0 | 北村 友一 | 1:32.1 | 1/2 |
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33.7 | 544(+4) | 高野 友和 | 9 | |
15 | 11 | エントシャイデン | 牡4 | 58.0 | 田辺 裕信 | 1:32.2 | 1/2 |
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34.0 | 474(+2) | 矢作 芳人 | 14 | |
16 | 15 | ダノンプレミアム | 牡4 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:32.9 | 4 |
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34.5 | 504(+4) | 中内田 充正 | 2 |
ハロンタイム | 12.2 - 10.9 - 11.4 - 11.3 - 11.2 - 11.1 - 11.2 - 11.6 |
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上り | 4F 45.1 - 3F 33.9 |
3コーナー | 2-6-16(5,12)7(4,11)(10,15)(3,14)(1,9)8,13 |
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4コーナー | 2,6-16,12,5,7(4,11)(10,14,15)(3,1,9)8-13 |
勝馬 | インディチャンプ [牡4・鹿毛] 父:ステイゴールド 母:ウィルパワー |
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馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 10戦6勝 |
獲得賞金 | 231,120,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2019年 東京新聞杯(GⅢ) |
騎手 | 福永 祐一:2勝目 2012年 ストロングリターン |
調教師 | 音無 秀孝:初勝利 |