2019年 重賞レース一覧ヴィクトリアマイル
ヴィクトリアマイル(GⅠ)のゲートから18頭が飛び出す。スタートを決めたアマルフィコーストやクロコスミアらを交わしてハナを主張したのは、NHKマイルC勝ちのある2番人気アエロリットだ。土曜の京王杯スプリングCはレコード決着、この日も好タイム連発の東京・芝コース。高速馬場を反映するかのように、800メートル通過44秒8、1000メートル通過56秒1という緩みのない流れでアエロリットは飛ばしていく。
阪神牝馬Sを制したミッキーチャーム、1番人気に推された2017年の2歳女王ラッキーライラックらが先行集団を形成し、マイル戦5勝で3番人気のレッドオルガ、ダービー卿チャレンジT僅差2着の4番人気プリモシーンらが続く。このグループには、ダミアン・レーン騎手と初めてタッグを組むノームコアもいた。
「速いペースは自分の馬に合っているようだ」
レーン騎手は初来日ながら、騎乗2日目には4勝の固め打ち、3日目には新潟大賞典を勝ち、前日には京王杯スプリングCを制覇と、旋風を巻き起こしていた。そしてオーストラリアの若き雄が手綱を通じて得た感触の正しさは、ほどなく証明されることになる。
直線、突き放しにかかるアエロリットに好位・中団勢が迫る。とりわけ目立ったのは、ラッキーライラック、クロコスミア、ノームコア、プリモシーンの伸びだ。4頭は死力を尽くして追い比べを演じながら粘るアエロリットを交わし去る。そして、この争いの中からクビ差抜け出したのがノームコア。従来のコースレコードを0秒8も更新したうえ、JRAレコードとなる1分30秒5の勝ちタイムとともに、GⅠ初制覇を果たしたのであった。
「最後までしっかり脚を使ってくれた。先頭に立ってからも強かった」とノームコアを称えるレーン騎手にとってもJRAのGⅠ初制覇。名手の腕とノームコアの潜在能力がガッチリと噛み合い、そうして成し遂げた驚異的なレコードVである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノームコア | 牝4 | 55.0 | D.レーン | 1:30.5 | レコード |
|
33.2 | 470(+4) | 萩原 清 | 5 | |
2 | 9 | プリモシーン | 牝4 | 55.0 | 福永 祐一 | 1:30.5 | クビ |
|
33.0 | 498(0) | 木村 哲也 | 4 | |
3 | 3 | クロコスミア | 牝6 | 55.0 | 戸崎 圭太 | 1:30.6 | 1/2 |
|
33.5 | 440(-8) | 西浦 勝一 | 11 | |
4 | 6 | ラッキーライラック | 牝4 | 55.0 | 石橋 脩 | 1:30.6 | ハナ |
|
33.5 | 506(-4) | 松永 幹夫 | 1 | |
5 | 11 | アエロリット | 牝5 | 55.0 | 横山 典弘 | 1:30.9 | 1 1/2 |
|
34.8 | 512(前計不) | 菊沢 隆徳 | 2 | |
6 | 10 | ミエノサクシード | 牝6 | 55.0 | 川島 信二 | 1:31.1 | 1 1/4 |
|
33.1 | 466(-2) | 高橋 亮 | 17 | |
7 | 17 | サウンドキアラ | 牝4 | 55.0 | 田辺 裕信 | 1:31.2 | 3/4 |
|
33.5 | 448(0) | 安達 昭夫 | 15 | |
8 | 7 | ミッキーチャーム | 牝4 | 55.0 | 川田 将雅 | 1:31.2 | クビ |
|
34.7 | 446(0) | 中内田 充正 | 6 | |
9 | 16 | ソウルスターリング | 牝5 | 55.0 | 武 豊 | 1:31.2 | ハナ |
|
34.3 | 494(+4) | 藤沢 和雄 | 8 | |
10 | 14 | レッツゴードンキ | 牝7 | 55.0 | 岩田 康誠 | 1:31.2 | ハナ |
|
33.2 | 502(-2) | 梅田 智之 | 13 | |
11 | 2 | レッドオルガ | 牝5 | 55.0 | 北村 友一 | 1:31.4 | 1 1/4 |
|
34.1 | 450(0) | 藤原 英昭 | 3 | |
12 | 8 | デンコウアンジュ | 牝6 | 55.0 | 柴田 善臣 | 1:31.4 | クビ |
|
33.6 | 454(-4) | 荒川 義之 | 10 | |
13 | 13 | サトノワルキューレ | 牝4 | 55.0 | 内田 博幸 | 1:31.7 | 1 3/4 |
|
33.7 | 454(-10) | 角居 勝彦 | 14 | |
14 | 1 | アマルフィコースト | 牝4 | 55.0 | 坂井 瑠星 | 1:32.0 | 1 3/4 |
|
35.4 | 456(-6) | 牧田 和弥 | 12 | |
15 | 18 | フロンテアクイーン | 牝6 | 55.0 | 三浦 皇成 | 1:32.2 | 1 |
|
34.7 | 480(0) | 国枝 栄 | 9 | |
16 | 12 | ワントゥワン | 牝6 | 55.0 | 中谷 雄太 | 1:32.2 | クビ |
|
33.8 | 454(-2) | 藤岡 健一 | 16 | |
17 | 5 | メイショウオワラ | 牝5 | 55.0 | 秋山 真一郎 | 1:32.4 | 1 |
|
34.6 | 458(0) | 岡田 稲男 | 18 | |
18 | 15 | カンタービレ | 牝4 | 55.0 | M.デムーロ | 1:32.5 | 1/2 |
|
35.2 | 434(-2) | 角居 勝彦 | 7 |
ハロンタイム | 12.3 - 10.6 - 10.8 - 11.1 - 11.3 - 11.2 - 11.5 - 11.7 |
---|---|
上り | 4F 45.7 - 3F 34.4 |
3コーナー | 11-(1,7)16(3,6)(2,4,15)(9,18)5(8,17)10(14,13)-12 |
---|---|
4コーナー | 11-(1,7)16(3,6)(2,4,15)(9,18)(5,8,17)(10,14,13)-12 |
勝馬 | ノームコア [牝4・芦毛] 父:ハービンジャー 母:クロノロジスト |
---|---|
馬主 | 池谷 誠一氏 |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 9戦4勝 |
獲得賞金 | 208,258,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2018年 紫苑ステークス(GⅢ) |
騎手 | D.レーン:初勝利 |
調教師 | 萩原 清:初勝利 |