2019年 重賞レース一覧宝塚記念
出走馬が12頭にとどまった宝塚記念(GⅠ)。だが、2年前にクラシック三冠を分け合ったアルアイン、レイデオロ、キセキに、昨年の大阪杯優勝馬スワーヴリチャードを加えた5歳勢のほか、復活を期すダービー馬マカヒキ、悲願のGⅠ獲りに懸けるエタリオウなど、いずれも力量十分、少数精鋭のメンバー構成で争われることとなった。
紅一点として挑んだのが5歳牝馬のリスグラシューだ。この豪華な顔ぶれに混じっても3番人気と高い評価を受け、そして、その期待に応える力強い走りを披露する。
スタートから懸命に押していく最内1番枠のキセキとは対照的に、大外枠のリスグラシューは絶好の飛び出しから抑えきれぬほどのダッシュを見せた。鞍上のダミアン・レーン騎手が「先頭に立つかどうか悩んだ」と振り返るほどの勢いだ。結局はキセキを行かせて2番手に収まり、じっくりと折り合うことになる。
そのままレースは緩みのないピッチで進行したが、3コーナー過ぎ、快調に逃げるキセキを追い詰めるべく後続各馬の手綱が動き始める。ただ1頭、リスグラシューだけは余裕たっぷりに追い出しのタイミングを計っていた。
そして直線。粘り込みを狙うキセキに外からリスグラシューが一気に接近し、残り200メートル地点で抜け出す。
「後ろに強い馬がいっぱいいることは意識したが、自分の馬も手応えは良かったので自信を持って追った」というレーン騎手の言葉通り、リスグラシューはさらにストライドを伸ばしていく。結局はキセキを3馬身突き放し、スワーヴリチャード、アルアイン、レイデオロを3着から5着に封じ込める劇勝ゴールを飾ったのである。
ここ3戦は2着、2着、3着と惜敗続きながら、ダノンプレミアムや香港馬エグザルタントら一線級牡馬と互角の戦いを繰り広げてきたリスグラシュー。そこで培ったタフネスが「コンディションは完璧だった」という仕上がりの良さを得て爆発、昨秋のエリザベス女王杯に続く2つ目のGⅠタイトルへと結びついたのだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | リスグラシュー | 牝5 | 56.0 | D.レーン | 2:10.8 |
|
35.2 | 460(+2) | 矢作 芳人 | 3 | ||
2 | 1 | キセキ | 牡5 | 58.0 | 川田 将雅 | 2:11.3 | 3 |
|
35.8 | 506(-2) | 角居 勝彦 | 1 | |
3 | 11 | スワーヴリチャード | 牡5 | 58.0 | M.デムーロ | 2:11.6 | 2 |
|
35.7 | 524(前計不) | 庄野 靖志 | 6 | |
4 | 4 |
アルアイン
|
牡5 | 58.0 | 北村 友一 | 2:11.9 | 2 |
|
36.1 | 520(-4) | 池江 泰寿 | 5 | |
5 | 2 | レイデオロ | 牡5 | 58.0 | C.ルメール | 2:12.1 | 3/4 |
|
36.0 | 482(前計不) | 藤沢 和雄 | 2 | |
6 | 10 | ノーブルマーズ | 牡6 | 58.0 | 高倉 稜 | 2:12.4 | 1 3/4 |
|
36.0 | 498(0) | 宮本 博 | 10 | |
7 | 6 | スティッフェリオ | 牡5 | 58.0 | 丸山 元気 | 2:12.4 | クビ |
|
36.3 | 442(-8) | 音無 秀孝 | 8 | |
8 | 9 | クリンチャー | 牡5 | 58.0 | 三浦 皇成 | 2:12.5 | 3/4 |
|
36.4 | 496(0) | 宮本 博 | 9 | |
9 | 3 |
エタリオウ
|
牡4 | 58.0 | 横山 典弘 | 2:12.6 | クビ |
|
36.4 | 474(+2) | 友道 康夫 | 4 | |
10 | 8 | ショウナンバッハ | 牡8 | 58.0 | 吉田 豊 | 2:12.6 | アタマ |
|
35.9 | 458(0) | 上原 博之 | 11 | |
11 | 7 | マカヒキ | 牡6 | 58.0 | 岩田 康誠 | 2:12.9 | 1 1/2 |
|
36.3 | 508(+2) | 友道 康夫 | 7 | |
12 | 5 | タツゴウゲキ | 牡7 | 58.0 | 秋山 真一郎 | 2:13.9 | 6 |
|
37.5 | 496(+4) | 鮫島 一歩 | 12 |
ハロンタイム | 12.6 - 11.4 - 11.5 - 12.4 - 12.1 - 11.9 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 12.4 |
---|---|
上り | 4F 46.9 - 3F 35.3 |
1コーナー | (*1,12)4(6,11)(2,9)10,5,3,8-7 |
---|---|
2コーナー | 1(4,12)(6,11)2,9(5,10)-3,8-7 |
3コーナー | 1,12(4,11)(2,6,9)(5,10,3)8-7 |
4コーナー | 1,12(4,11)(2,6,9)3(5,10)(8,7) |
勝馬 | リスグラシュー [牝5・黒鹿毛] 父:ハーツクライ 母:リリサイド |
---|---|
馬主 | 有限会社 キャロットファーム |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 20戦5勝 (内中央) 18戦5勝 (内海外) 2戦0勝 |
獲得賞金 | 681,039,500円 (内中央) 583,979,000円 (内海外) 97,060,500円 |
主な勝鞍 | 重賞4勝目 2016年 アルテミスステークス(GⅢ) 2018年 東京新聞杯(GⅢ) 2018年 エリザベス女王杯(GⅠ) |
騎手 | D.レーン:初勝利 |
調教師 | 矢作 芳人:初勝利 |