2020年 重賞レース一覧皐月賞
新馬、東京スポーツ杯2歳S、ホープフルSと3連勝をマークした昨年の2歳王者コントレイルと、新馬、サウジアラビアロイヤルC、朝日杯フューチュリティSと、やはり負け知らずのサリオス。2歳戦線で主役を務めた両雄が、ともに3歳初戦として臨んだ皐月賞(GⅠ)。弥生賞ディープインパクト記念快勝のサトノフラッグも大きな注目を集めたが、レースは無敗馬2頭の一騎打ちとなる。この壮絶な追い比べを制したのは、コントレイルだ。
逃げたキメラヴェリテが、1000メートル通過59秒8と、稍重の馬場を考えれば速い流れを作り出す。難なく先行集団に取り付いたサリオスに対し、1枠スタートのコントレイルは中団より後ろ。「内の馬場状態が悪かったせいか、ゲートを出てから進んでいかなかった。ペース次第では2、3番手と考えていたのに、これは想定外」と、鞍上・福永祐一騎手が振り返るポジショニングだ。
それでも、「もう馬を信じるしかない。返し馬の気配が良くて、いままでよりいい脚を使えるとも感じていた」と、福永騎手は慌てない。事実、3コーナーから外へ持ち出されたコントレイルは、抜群の手応えでみるみるうちに位置取りを上げていく。
ラストスパートをかける18頭。が、直線半ばからは、先行勢の間を割って抜け出してきたサリオスと大外を伸びるコントレイル、完全に2頭のマッチレースだ。結局、両馬は3着に追い込んだガロアクリークを3馬身半も突き放してゴール。この長い追い比べに半馬身だけ競り勝って、コントレイルは無敗のまま第一冠を手にしたのである。
福永騎手は、「突き抜けるんじゃないかと思ったけれど、さすがに相手も強かった」とライバルを称えつつ、「距離が延びても大丈夫」とコントレイルの将来性を語る。確かに、無敗のまま第二冠・日本ダービーまで駆け抜けることも夢ではないと思わせる、力強い勝利であった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 1 | コントレイル | 牡3 | 57.0 | 福永 祐一 | 2:00.7 |
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34.9 | 462(0) | 矢作 芳人 | 1 | ||
2 | 7 | サリオス | 牡3 | 57.0 | D.レーン | 2:00.8 | 1/2 |
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35.4 | 536(-2) | 堀 宣行 | 3 | |
3 | 16 | ガロアクリーク | 牡3 | 57.0 | L.ヒューイットソン | 2:01.4 | 3 1/2 |
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35.7 | 498(+2) | 上原 博之 | 8 | |
4 | 8 | ウインカーネリアン | 牡3 | 57.0 | 田辺 裕信 | 2:01.6 | 1 1/4 |
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36.5 | 484(-2) | 鹿戸 雄一 | 17 | |
5 | 5 | サトノフラッグ | 牡3 | 57.0 | C.ルメール | 2:01.8 | 1 1/4 |
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36.4 | 488(-4) | 国枝 栄 | 2 | |
6 | 13 | ダーリントンホール | 牡3 | 57.0 | M.デムーロ | 2:01.8 | クビ |
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35.9 | 516(-10) | 木村 哲也 | 6 | |
7 | 3 | コルテジア | 牡3 | 57.0 | 松山 弘平 | 2:01.9 | 1/2 |
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36.1 | 460(+6) | 鈴木 孝志 | 13 | |
8 | 17 | ヴェルトライゼンデ | 牡3 | 57.0 | 池添 謙一 | 2:01.9 | ハナ |
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36.3 | 486(-4) | 池江 泰寿 | 4 | |
9 | 9 | ブラックホール | 牡3 | 57.0 | 石川 裕紀人 | 2:02.1 | 1 1/4 |
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35.7 | 432(+2) | 相沢 郁 | 12 | |
10 | 6 | ディープボンド | 牡3 | 57.0 | 横山 典弘 | 2:02.1 | アタマ |
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36.8 | 484(-6) | 大久保 龍志 | 18 | |
11 | 2 | レクセランス | 牡3 | 57.0 | 北村 友一 | 2:02.1 | アタマ |
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36.1 | 482(-4) | 池添 学 | 9 | |
12 | 10 | アメリカンシード | 牡3 | 57.0 | 丸山 元気 | 2:02.2 | クビ |
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36.1 | 464(-8) | 藤岡 健一 | 16 | |
13 | 12 | マイラプソディ | 牡3 | 57.0 | 武 豊 | 2:02.2 | アタマ |
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36.6 | 504(-4) | 友道 康夫 | 7 | |
14 | 18 | ビターエンダー | 牡3 | 57.0 | 津村 明秀 | 2:02.4 | 1 1/4 |
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37.2 | 464(+4) | 相沢 郁 | 11 | |
15 | 15 | ラインベック | 牡3 | 57.0 | 岩田 康誠 | 2:02.4 | クビ |
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37.1 | 476(+8) | 友道 康夫 | 14 | |
16 | 11 | クリスタルブラック | 牡3 | 57.0 | 吉田 豊 | 2:02.5 | 3/4 |
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36.4 | 474(-2) | 高橋 文雅 | 5 | |
17 | 14 | キメラヴェリテ | 牡3 | 57.0 | 藤岡 康太 | 2:02.6 | クビ |
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37.7 | 538(0) | 中竹 和也 | 10 | |
18 | 4 | テンピン | 牡3 | 57.0 | 中井 裕二 | 2:03.3 | 4 |
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37.6 | 500(-2) | 安田 隆行 | 15 |
ハロンタイム | 12.2 - 11.3 - 12.1 - 11.8 - 12.4 - 12.9 - 12.2 - 11.9 - 11.8 - 12.1 |
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上り | 4F 48.0 - 3F 35.8 |
1コーナー | 14-8,18(6,7)15(4,17)5,3,16(1,12)(2,10,13)(9,11) |
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2コーナー | 14-8,18,6-(7,15)(4,17)5,3,16(1,12)-(2,13)(10,11)9 |
3コーナー | 14,8,18(6,15)(7,5)(17,12)(4,16)(3,1,13)(10,2,11)-9 |
4コーナー | (*14,8)18(6,7,5)(15,1)(17,16,12)3(4,2,11,13)9,10 |
勝馬 | コントレイル [牡3・青鹿毛] 父:ディープインパクト 母:ロードクロサイト |
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馬主 | 前田 晋二氏 |
生産地 | 北海道新冠郡新冠町 |
生産牧場 | 株式会社ノースヒルズ |
戦績 | 4戦4勝 |
獲得賞金 | 245,900,000円 |
主な勝鞍 | 重賞3勝目 2019年 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ) 2019年 ホープフルステークス(GⅠ) |
騎手 | 福永 祐一:初勝利 |
調教師 | 矢作 芳人:初勝利 |