2023年 重賞レース一覧大阪杯
春の中距離王者を決める一戦・大阪杯(GⅠ)に集ったのは16頭。大外から前をうかがうノースザワールドに先手を譲らず、ジャックドールがハナを切る。「無理やり行かなくてもスピードのある馬。いいスタートを切れて『よし』と思った。元気は良すぎたけれど、落ち着いて走ってくれた」と武豊騎手が振り返る、爽快な逃走劇が始まった。
好位には、このコースでアンドロメダS1着のあるマテンロウレオや香港C2着健闘のダノンザキッド。中山記念連覇のヒシイグアス、アメリカジョッキークラブCを制したノースブリッジ、昨年の勝ち馬ポタジェなどが続き、日経新春杯1着のヴェルトライゼンデ、小倉記念で鮮烈な走りを見せたマリアエレーナ、エリザベス女王杯優勝のジェラルディーナ、二冠牝馬スターズオンアースらは中団から後ろに構えた。
これらを従えるジャックドールが刻んだのは1000メートル通過58秒9のラップ。それは「今日の馬場状態なら59秒前後で入りたい」と武騎手が思い描いたプラン通りの走りだった。
やがて直線。差を詰めようとするマテンロウレオとダノンザキッドをジャックドールは振り切りにかかる。最後にスターズオンアースが猛然と追い込んできたものの、これもハナ差だけ封じ込んで先頭ゴールを飾ったのだった。
ここまで13戦、芝2000メートルだけを選んで駆け続け、7勝を挙げているジャックドール。昨年のこのレースは5着、天皇賞(秋)は4着とGⅠでは善戦どまりだったが、こだわりの歩みがようやく結実、ビッグタイトルをつかみ取ることができた。
54歳0か月19日の勝利で“史上最年長JRA・GⅠ制覇”を達成した武騎手は「この記録をもっと伸ばしていきたい」と照れ笑いを浮かべる。
スペシャリストと、百戦錬磨の名手。ユニークなコンビによる逃走完遂だった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬 番 |
馬名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手名 | タイム | 着差 | コーナー 通過順位 |
推定上り | 馬体重 (増減) |
調教師名 | 単勝 人気 |
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1 | 9 | ジャックドール | 牡5 | 58.0 | 武 豊 | 1:57.4 |
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35.3 | 512(+11) | 藤岡 健一 | 2 | ||
2 | 11 | スターズオンアース | 牝4 | 56.0 | C.ルメール | 1:57.4 | ハナ |
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34.4 | 484(+12) | 高柳 瑞樹 | 1 | |
3 | 13 | ダノンザキッド | 牡5 | 58.0 | 横山 和生 | 1:57.4 | クビ |
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35.0 | 530(+6) | 安田 隆行 | 10 | |
4 | 7 | マテンロウレオ | 牡4 | 58.0 | 横山 典弘 | 1:57.8 | 2 |
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35.4 | 476(0) | 昆 貢 | 8 | |
5 | 2 | マリアエレーナ | 牝5 | 56.0 | 浜中 俊 | 1:57.9 | 3/4 |
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35.0 | 428(+4) | 吉田 直弘 | 6 | |
6 | 1 | ジェラルディーナ | 牝5 | 56.0 | 岩田 望来 | 1:58.0 | 1/2 |
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34.9 | 472(+2) | 斉藤 崇史 | 5 | |
7 | 14 | ヒシイグアス | 牡7 | 58.0 | 松山 弘平 | 1:58.0 | 1/2 |
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35.4 | 486(-18) | 堀 宣行 | 4 | |
8 | 4 | ノースブリッジ | 牡5 | 58.0 | 岩田 康誠 | 1:58.1 | クビ |
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35.5 | 488(-8) | 奥村 武 | 7 | |
9 | 6 | ヴェルトライゼンデ | 牡6 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:58.1 | クビ |
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35.3 | 498(-2) | 池江 泰寿 | 3 | |
10 | 10 | ポタジェ | 牡6 | 58.0 | 坂井 瑠星 | 1:58.1 | ハナ |
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35.5 | 472(-6) | 友道 康夫 | 12 | |
11 | 8 | ラーグルフ | 牡4 | 58.0 | 戸崎 圭太 | 1:58.2 | 1/2 |
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34.9 | 494(-10) | 宗像 義忠 | 9 | |
12 | 3 | モズベッロ | 牡7 | 58.0 | 西村 淳也 | 1:58.2 | ハナ |
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34.9 | 498(+10) | 森田 直行 | 16 | |
13 | 12 | キラーアビリティ | 牡4 | 58.0 | 団野 大成 | 1:58.3 | クビ |
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35.2 | 474(0) | 斉藤 崇史 | 11 | |
14 | 5 | ワンダフルタウン | 牡5 | 58.0 | 和田 竜二 | 1:58.9 | 4 |
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35.4 | 472(-2) | 高橋 義忠 | 15 | |
15 | 16 | ノースザワールド | 牡5 | 58.0 | 北村 友一 | 1:59.3 | 2 1/2 |
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37.0 | 478(0) | 大久保 龍志 | 14 | |
16 | 15 | ヒンドゥタイムズ | せん7 | 58.0 | 池添 謙一 | 1:59.5 | 1 1/4 |
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36.6 | 466(-2) | 斉藤 崇史 | 13 |
ハロンタイム | 12.4 - 10.9 - 12.2 - 12.0 - 11.4 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.4 - 12.5 |
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上り | 4F 46.8 - 3F 35.3 |
1コーナー | 9,16,7,13(10,14)(4,6,15)(2,12)11,1,8-3-5 |
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2コーナー | 9,16,7,13(4,10,14)(6,15)2,12(1,11)-8,3-5 |
3コーナー | 9,16,7,13(4,10,14)(2,6,15)(1,11,12)(3,8)-5 |
4コーナー | 9,16(7,13)(4,10,14)6(2,11)(1,12,15)(3,8,5) |
勝馬 | ジャックドール [牡5・栗毛] 父:モーリス 母:ラヴァリーノ |
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馬主 | 前原 敏行氏 |
生産地 | 北海道沙流郡日高町 |
生産牧場 | クラウン日高牧場 |
戦績 | 14戦8勝 (内中央) 13戦8勝 (内海外) 1戦0勝 |
獲得賞金 | 472,042,000円 (内中央) 472,042,000円 (内海外) 0円 |
主な勝鞍 | 重賞3勝目 2022年 金鯱賞(GⅡ) 2022年 札幌記念(GⅡ) |
騎手 | 武 豊:8勝目 1988年 フレッシュボイス 1990年 スーパークリーク 1993年 メジロマックイーン 1997年 マーベラスサンデー 1998年 エアグルーヴ 2014年 キズナ 2017年 キタサンブラック |
調教師 | 藤岡 健一:初勝利 |