2020年 重賞レース一覧大阪杯
依然として“無観客競馬”が続く中、大阪杯(GⅠ)は、阪神・芝コースを取り囲むように咲く桜の花に見守られながらのスタートとなった。
ハナを切ったのはダノンキングリー。外からジナンボーに馬体を合わせられながらも、悲願のタイトル獲得を懸けて淡々とラップを刻む。だが3コーナーでブラストワンピースが外を回って押し上げていくと、これを察知したクロノジェネシスも好位からややペースアップ。緊迫した空気とともに、馬群は4コーナーを駆け抜けていく。
このとき、内の3番手で静かに機をうかがっていたのがラッキーライラックだ。
前走・中山記念に続いてラッキーライラックの手綱を取るミルコ・デムーロ騎手は「スタートが上手くいって、考えていたより前になった」と振り返る。それが奏功、中山記念で敗れた相手・ダノンキングリーをマークできる絶好の位置をキープ。しかも、「前走は久々だったせいか反応が悪かったけれど、今日は仕上がりも良く、3コーナーから4コーナーで自分からハミを取って手応えは抜群だった」という。
そして直線。ジナンボーを競り落としたダノンキングリーに、外からクロノジェネシスが襲い掛かる。ラッキーライラックは、これらの間を突くようにしてスパート。残り100メートルで一気に先頭へ躍り出ると、そのままクロノジェネシスをクビ差押さえて1着ゴールを果たしたのである。
「お客さんがいないのは寂しいけれど、いまはみんなで頑張りましょう」とデムーロ騎手。思えばラッキーライラックは、2歳女王に輝きながら、3歳牝馬戦線ではアーモンドアイに敗れ続け、4歳春も勝ち星に恵まれなかった馬。だが昨秋からは、エリザベス女王杯での復活V、香港ヴァーズの2着力走、そして大阪杯優勝と充実ぶりをアピールしている。
明けない夜はない。そう思わせる存在の、鋭く、力強く、鮮やかな差し切り勝ちだった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 5 | ラッキーライラック | 牝5 | 55.0 | M.デムーロ | 1:58.4 |
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33.9 | 520(+2) | 松永 幹夫 | 2 | ||
2 | 12 | クロノジェネシス | 牝4 | 55.0 | 北村 友一 | 1:58.4 | クビ |
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34.0 | 454(-6) | 斉藤 崇史 | 4 | |
3 | 8 | ダノンキングリー | 牡4 | 57.0 | 横山 典弘 | 1:58.5 | クビ |
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34.3 | 456(-2) | 萩原 清 | 1 | |
4 | 11 | カデナ | 牡6 | 57.0 | 鮫島 克駿 | 1:58.6 | 3/4 |
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33.5 | 486(+12) | 中竹 和也 | 11 | |
5 | 4 | ワグネリアン | 牡5 | 57.0 | 福永 祐一 | 1:58.8 | 1 1/4 |
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34.0 | 466(+8) | 友道 康夫 | 5 | |
6 | 10 | ジナンボー | 牡5 | 57.0 | 藤岡 佑介 | 1:58.9 | 3/4 |
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34.7 | 484(-16) | 堀 宣行 | 9 | |
7 | 3 | ブラストワンピース | 牡5 | 57.0 | 川田 将雅 | 1:59.0 | 1/2 |
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34.4 | 542(-4) | 大竹 正博 | 3 | |
8 | 6 | レッドジェニアル | 牡4 | 57.0 | 酒井 学 | 1:59.1 | 3/4 |
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34.5 | 486(0) | 高橋 義忠 | 12 | |
9 | 7 | ステイフーリッシュ | 牡5 | 57.0 | 岩田 康誠 | 1:59.4 | 1 1/2 |
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34.9 | 464(-2) | 矢作 芳人 | 8 | |
10 | 2 |
サトノソルタス
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牡5 | 57.0 | 藤岡 康太 | 1:59.4 | ハナ |
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34.6 | 490(-8) | 堀 宣行 | 10 | |
11 | 9 | マカヒキ | 牡7 | 57.0 | L.ヒューイットソン | 1:59.5 | 3/4 |
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34.7 | 494(-12) | 友道 康夫 | 7 | |
12 | 1 | ロードマイウェイ | 牡4 | 57.0 | 武 豊 | 2:00.3 | 5 |
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35.5 | 474(-2) | 杉山 晴紀 | 6 |
ハロンタイム | 12.9 - 11.7 - 12.3 - 11.9 - 11.6 - 12.1 - 11.7 - 11.3 - 11.2 - 11.7 |
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上り | 4F 45.9 - 3F 34.2 |
1コーナー | 8,10(5,12)(4,6,7)9(2,3)-11,1 |
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2コーナー | 8,10-(5,12)(4,6,7)(2,9)3(11,1) |
3コーナー | (*8,10)-(5,12)(4,6,7)3,2(9,1)11 |
4コーナー | (*8,10)(12,3)(5,7)6(4,2,9,1)11 |
勝馬 | ラッキーライラック [牝5・栗毛] 父:オルフェーヴル 母:ライラックスアンドレース |
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馬主 | 有限会社 サンデーレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 15戦6勝 (内中央) 14戦6勝 (内海外) 1戦0勝 |
獲得賞金 | 627,264,700円 (内中央) 565,523,000円 (内海外) 61,741,700円 |
主な勝鞍 | 重賞5勝目 2017年 アルテミスステークス(GⅢ) 2017年 阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ) 2018年 チューリップ賞(GⅡ) 2019年 エリザベス女王杯(GⅠ) |
騎手 | M.デムーロ:3勝目 2004年 ネオユニヴァース 2018年 スワーヴリチャード |
調教師 | 松永 幹夫:初勝利 |