2021年 重賞レース一覧優駿牝馬(オークス)
優駿牝馬(オークス)(GⅠ)では、デビューから5戦無敗、阪神ジュベナイルフィリーズも桜花賞も制しているソダシが注目を浴びた。だが白毛の女王は、激しい追い比べの末に8着と敗れる。もっともパワフルな伸びを見せたのは、ユーバーレーベンだ。
レースはフローラS勝ち馬クールキャットの先導で進んだ。忘れな草賞を差し切ったステラリア、そしてソダシが好位をキープ。桜花賞4着のアカイトリノムスメや同3着のファインルージュが、その後ろに続いた。
ユーバーレーベンは中団の外。末脚勝負がこの馬のスタイルだ。ただし、札幌2歳Sは2着、アルテミスSが9着、阪神ジュベナイルフィリーズは3着と、ソダシには3連敗を喫していた。その後もフラワーC3着、フローラSも3着、いまだ勝ち鞍は新馬戦のみという身である。それでも鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、自信を胸に、少しずつポジションを上げながら、3コーナーから4コーナーと回っていく。
「調子は良くなっているし、ペースが上がっても楽に着いていけている。前走でも最後までジリジリと伸びていたから距離は問題ない」
手綱を通して伝わるそんな感触が、直線、力強い走りとなって現れる。
これまでとは異なり、なかなか周囲を突き放せないでいるソダシ。そこへ後続各馬が次々と襲い掛かる。とりわけ目立ったのがユーバーレーベンの勢い。ジワリと、着実に、馬群の外から前との差を詰め、そして抜け出す。
「早めに先頭に立つと甘いところがあるけれど、最後まで頑張ってくれた」というデムーロ騎手の言葉通り、ユーバーレーベンの脚色はゴールまで衰えず、内から差してきたアカイトリノムスメに1馬身の差をつけて勝利したのである。
渾身のスパートで宿敵を撃破したユーバーレーベン。そのゴールはまた、1995年ダンスパートナー以来となる“1勝馬によるオークス制覇”という歴史的快挙でもあった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 9 | ユーバーレーベン | 牝3 | 55.0 | M.デムーロ | 2:24.5 |
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34.4 | 462(+8) | 手塚 貴久 | 3 | ||
2 | 7 | アカイトリノムスメ | 牝3 | 55.0 | C.ルメール | 2:24.6 | 1 |
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34.4 | 450(+6) | 国枝 栄 | 2 | |
3 | 8 | ハギノピリナ | 牝3 | 55.0 | 藤懸 貴志 | 2:24.6 | ハナ |
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34.3 | 454(0) | 高野 友和 | 16 | |
4 | 4 | タガノパッション | 牝3 | 55.0 | 岩田 康誠 | 2:24.8 | 1 1/4 |
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34.2 | 456(0) | 鮫島 一歩 | 10 | |
5 | 15 | アールドヴィーヴル | 牝3 | 55.0 | 松山 弘平 | 2:24.8 | アタマ |
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34.5 | 422(0) | 今野 貞一 | 7 | |
6 | 12 | ミヤビハイディ | 牝3 | 55.0 | 吉田 豊 | 2:25.0 | 3/4 |
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34.3 | 480(-10) | 高橋 文雅 | 17 | |
7 | 1 | ククナ | 牝3 | 55.0 | 横山 武史 | 2:25.0 | クビ |
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35.1 | 448(+2) | 栗田 徹 | 8 | |
8 | 11 | ソダシ | 牝3 | 55.0 | 吉田 隼人 | 2:25.1 | 3/4 |
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35.1 | 472(0) | 須貝 尚介 | 1 | |
9 | 2 | スルーセブンシーズ | 牝3 | 55.0 | 戸崎 圭太 | 2:25.2 | 1/2 |
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34.9 | 428(-6) | 尾関 知人 | 9 | |
10 | 3 | パープルレディー | 牝3 | 55.0 | 田辺 裕信 | 2:25.3 | 1/2 |
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34.7 | 416(+2) | 奥村 武 | 12 | |
11 | 13 | ファインルージュ | 牝3 | 55.0 | 福永 祐一 | 2:25.5 | 1 |
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35.1 | 494(+6) | 木村 哲也 | 4 | |
12 | 17 | スライリー | 牝3 | 55.0 | 石川 裕紀人 | 2:25.5 | クビ |
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35.7 | 424(+2) | 相沢 郁 | 15 | |
13 | 18 | ステラリア | 牝3 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:25.9 | 2 1/2 |
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36.1 | 482(0) | 斉藤 崇史 | 5 | |
14 | 5 | クールキャット | 牝3 | 55.0 | 武 豊 | 2:26.2 | 1 1/2 |
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36.6 | 510(+4) | 奥村 武 | 6 | |
15 | 6 | ウインアグライア | 牝3 | 55.0 | 和田 竜二 | 2:26.4 | 1 1/2 |
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36.3 | 456(-2) | 和田 雄二 | 13 | |
16 | 16 | ニーナドレス | 牝3 | 55.0 | 藤岡 康太 | 2:27.9 | 9 |
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38.1 | 508(0) | 友道 康夫 | 11 | |
17 | 14 | ストライプ | 牝3 | 55.0 | 柴田 善臣 | 2:28.5 | 3 1/2 |
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38.7 | 506(+4) | 尾形 和幸 | 18 | |
18 | 10 | エンスージアズム | 牝3 | 55.0 | 岩田 望来 | 2:29.1 | 4 |
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38.9 | 420(+2) | 安田 翔伍 | 14 |
ハロンタイム | 12.5 - 11.1 - 11.8 - 12.3 - 12.2 - 12.6 - 12.6 - 12.4 - 12.1 - 11.3 - 11.7 - 11.9 |
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上り | 4F 47.0 - 3F 34.9 |
1コーナー | 5(11,18)1(7,14)(6,10)(13,17,16)9(2,15)3,4,8,12 |
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2コーナー | 5(1,18)(6,11,14)(7,10)(13,16)17,2(9,15)3,4(12,8) |
3コーナー | 5,18(1,14)(6,11,16)(10,17)(7,9)2(13,15)(3,8)(12,4) |
4コーナー | 5(18,14,16,17)(1,11)(6,9)(7,10)(2,15,8)13(3,12,4) |
勝馬 | ユーバーレーベン [牝3・青鹿毛] 父:ゴールドシップ 母:マイネテレジア |
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馬主 | 株式会社サラブレッドクラブ・ラフィアン |
生産地 | 北海道新冠郡新冠町 |
生産牧場 | ビッグレッドファーム |
戦績 | 7戦2勝 |
獲得賞金 | 196,355,000円 |
主な勝鞍 | 重賞初勝利 |
騎手 | M.デムーロ:2勝目 2019年 ラヴズオンリーユー |
調教師 | 手塚 貴久:初勝利 |