2019年 重賞レース一覧菊花賞
皐月賞馬サートゥルナーリアは天皇賞(秋)へ向かい、日本ダービー馬ロジャーバローズは故障により引退と、春のクラシックホースが不在の状況で行われた菊花賞(GⅠ)。1番人気に支持されたのは、春に皐月賞2着・日本ダービー3着と惜敗が続いたヴェロックスだった。
そのヴェロックス以上に耐え忍ぶ季節を過ごした馬がいた。ソエのために春のクラシックを棒に振ったワールドプレミアだ。が、秋を迎えて一変。「調教をしっかりやれるようになって状態はいい。勝てるレースをしよう」。そんな意識とともに鞍上・武豊騎手は、デビュー以来コンビを組むワールドプレミアを頂点へと導くのである。
好位4番手のヴェロックスを敢然とマークするように、ワールドプレミアは中団の内につける。春の若葉Sではヴェロックスの2着、復帰初戦の神戸新聞杯でもサートゥルナーリアとヴェロックスに遅れての3着。いわばヴェロックスは、戴冠のためにはどうしても破らなければならない相手だった。
「なるべく内を走りたいと思っていた。いいスタートを切れたし、折り合いを欠くこともズブくなることもなく、最高の形」
ワールドプレミアにとっては理想的ともいえる展開から、勝負は直線へ。スパートを始めたヴェロックスの内から、ワールドプレミアも一気に仕掛けられる。「いいタイミングで抜け出せて、まだ余裕もあった」という武騎手の手応え通り、ヴェロックスを振り切り、しぶとく差を詰めてきたサトノルークスもクビ差封じての先頭ゴール。堂々の競馬でワールドプレミアは第三冠を手中にしたのである。
これで武騎手は、昭和・平成・令和と3つの元号をまたいで菊花賞5勝目。しかも史上最年少(19歳7か月23日/スーパークリーク)の菊花賞勝利に加え、最年長勝利(50歳7か月6日)も達成したことになる。本人は「馬が頑張ってくれた」と振り返るが、このレースの勝ち方を誰よりも知るジョッキーの確かな手腕を感じさせる、そんな勝利であった。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 5 | ワールドプレミア | 牡3 | 57.0 | 武 豊 | 3:06.0 |
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35.8 | 484(+12) | 友道 康夫 | 3 | ||
2 | 14 | サトノルークス | 牡3 | 57.0 | 福永 祐一 | 3:06.0 | クビ |
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35.7 | 470(+8) | 池江 泰寿 | 8 | |
3 | 13 | ヴェロックス | 牡3 | 57.0 | 川田 将雅 | 3:06.2 | 1 |
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36.2 | 490(0) | 中内田 充正 | 1 | |
4 | 6 | ディバインフォース | 牡3 | 57.0 | 横山 典弘 | 3:06.3 | 3/4 |
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35.8 | 448(+2) | 寺島 良 | 16 | |
5 | 8 | メロディーレーン | 牝3 | 55.0 | 坂井 瑠星 | 3:06.4 | クビ |
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35.7 | 340(+2) | 森田 直行 | 12 | |
6 | 12 | レッドジェニアル | 牡3 | 57.0 | 酒井 学 | 3:06.6 | 1 |
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36.4 | 486(-2) | 高橋 義忠 | 7 | |
7 | 17 | タガノディアマンテ | 牡3 | 57.0 | 田辺 裕信 | 3:06.6 | クビ |
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36.6 | 470(-4) | 鮫島 一歩 | 11 | |
8 | 10 | カウディーリョ | 牡3 | 57.0 | M.デムーロ | 3:06.6 | ハナ |
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36.8 | 434(-14) | 堀 宣行 | 13 | |
9 | 2 | ニシノデイジー | 牡3 | 57.0 | C.ルメール | 3:06.7 | 1/2 |
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36.2 | 492(+4) | 高木 登 | 2 | |
10 | 7 | ヒシゲッコウ | 牡3 | 57.0 | C.スミヨン | 3:06.7 | クビ |
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36.5 | 484(-2) | 堀 宣行 | 4 | |
11 | 15 | ホウオウサーベル | 牡3 | 57.0 | 蛯名 正義 | 3:07.4 | 4 |
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37.4 | 486(-2) | 奥村 武 | 5 | |
12 | 18 | メイショウテンゲン | 牡3 | 57.0 | 池添 謙一 | 3:07.7 | 1 3/4 |
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37.3 | 456(+10) | 池添 兼雄 | 15 | |
13 | 1 | ザダル | 牡3 | 57.0 | 石橋 脩 | 3:08.0 | 1 3/4 |
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37.5 | 480(-12) | 大竹 正博 | 6 | |
14 | 16 | ナイママ | 牡3 | 57.0 | 柴田 大知 | 3:08.5 | 3 |
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38.4 | 474(+2) | 武藤 善則 | 18 | |
15 | 4 | ユニコーンライオン | 牡3 | 57.0 | 岩田 康誠 | 3:08.7 | 1 1/2 |
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38.5 | 526(+10) | 矢作 芳人 | 10 | |
16 | 11 | シフルマン | 牡3 | 57.0 | 松山 弘平 | 3:08.7 | ハナ |
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37.9 | 494(-8) | 中尾 秀正 | 14 | |
17 | 9 | ヴァンケドミンゴ | 牡3 | 57.0 | 藤岡 佑介 | 3:08.7 | ハナ |
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38.8 | 462(+6) | 藤岡 健一 | 17 | |
18 | 3 | カリボール | 牡3 | 57.0 | 藤井 勘一郎 | 3:12.9 | 大差 |
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41.8 | 490(0) | 須貝 尚介 | 9 |
ハロンタイム | 12.9 - 12.4 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.4 |
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上り | 4F 48.2 - 3F 36.2 |
1コーナー | 10,9,16(4,13,18)(5,12,15)(1,14)(2,7,17)6(3,8)11 |
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2コーナー | 10-9,16(4,13)(5,18)(12,15)1,14(2,7,17)6,8(3,11) |
3コーナー(2周目) | 10,9,16(4,13,18)15(5,7,12,17)14(1,2,6)8(3,11) |
4コーナー(2周目) | (*10,9,17)(13,15)5(7,16,12,14)6(4,1,2)(8,18)11-3 |
勝馬 | ワールドプレミア [牡3・黒鹿毛] 父:ディープインパクト 母:マンデラ |
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馬主 | 大塚 亮一氏 |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 6戦3勝 |
獲得賞金 | 194,729,000円 |
主な勝鞍 | 重賞初勝利 |
騎手 | 武 豊:5勝目 1988年 スーパークリーク 1996年 ダンスインザダーク 2000年 エアシャカール 2005年 ディープインパクト |
調教師 | 友道 康夫:初勝利 |