2022年 重賞レース一覧ジャパンカップ
パリ大賞勝ち馬オネストや5連勝でバイエルン大賞を制したテュネスなど4頭の外国馬を迎えたジャパンカップ(GⅠ)。日本勢は、日本ダービーとドバイシーマクラシックの覇者シャフリヤール、天皇賞(秋)3着で鋭い末脚を見せつけたダノンベルーガ、京都大賞典を勝って臨むヴェラアズールといった面々が迎え撃つこととなった。
ユニコーンライオンが1000メートル通過61秒1の緩いペースで先導したレースは、直線、力を尽くした追い比べへと移行する。まずはダノンベルーガが残り300メートルを切ったあたりで先頭に立つと、外からシャフリヤールが急追、内からは一昨年の日本ダービー3着馬ヴェルトライゼンデがしぶとく脚を伸ばし、さらに三冠牝馬デアリングタクトも迫る。
鞍上ライアン・ムーア騎手が、「またがってすぐ才能のある馬だと感じた」と語るヴェラアズールは、その後ろ、馬群の中。「ポジションは良かったけれど、前が何度もふさがって行き場を失くしかけた」という苦しい位置にいた。
だが次の瞬間、わずかに生じた間隙をムーア騎手とヴェラアズールは突く。「スペースが開いてからは鋭い脚で上手く抜け出してくれた」との言葉通り、鮮やかな瞬発力を発揮するヴェラアズール。最後はシャフリヤールとヴェルトライゼンデの間を割り、4分の3馬身前に出て先頭ゴールを果たすことになる。
ヴェラアズールは、長らく条件クラスのダート戦で勝ちあぐねていた存在。しかし今春、芝に転ずると、たった5戦で重賞タイトルを獲得し、そしてジャパンカップの大舞台でGⅠ初挑戦初制覇まで成し遂げてしまった。レース史上まれにみる、急上昇での戴冠といえるだろう。
「また大きなレースを勝てる」とムーア騎手もヴェラアズールの本格化を称賛する。どこまで昇り詰めるのか、観る者の心を躍らせる超新星の誕生である。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 6 | ヴェラアズール | 牡5 | 57.0 | R.ムーア | 2:23.7 |
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33.7 | 518(0) | 渡辺 薫彦 | 3 | ||
2 | 15 | シャフリヤール | 牡4 | 57.0 | C.デムーロ | 2:23.8 | 3/4 |
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33.7 | 450(-6) | 藤原 英昭 | 1 | |
3 | 3 | ヴェルトライゼンデ | 牡5 | 57.0 | D.レーン | 2:23.8 | クビ |
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34.0 | 494(0) | 池江 泰寿 | 4 | |
4 | 8 | デアリングタクト | 牝5 | 55.0 | T.マーカンド | 2:23.9 | 1/2 |
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33.7 | 484(-2) | 杉山 晴紀 | 5 | |
5 | 14 | ダノンベルーガ | 牡3 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:24.3 | 2 1/2 |
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34.4 | 500(0) | 堀 宣行 | 2 | |
6 | 5 | グランドグローリー | 牝6 | 55.0 | M.ギュイヨン | 2:24.3 | クビ |
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34.2 | 470(前計不) | G.ビエトリーニ | 14 | |
7 | 2 | オネスト | 牡3 | 55.0 | C.ルメール | 2:24.4 | クビ |
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34.4 | 454(前計不) | F.シャペ | 6 | |
8 | 11 | カラテ | 牡6 | 57.0 | 菅原 明良 | 2:24.4 | クビ |
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34.5 | 536(+8) | 辻野 泰之 | 13 | |
9 | 7 | テュネス | 牡3 | 55.0 | B.ムルザバエフ | 2:24.7 | 1 3/4 |
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34.4 | 442(前計不) | P.シールゲン | 7 | |
10 | 17 | ユーバーレーベン | 牝4 | 55.0 | M.デムーロ | 2:24.7 | ハナ |
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34.8 | 476(0) | 手塚 貴久 | 10 | |
11 | 10 | ハーツイストワール | 牡6 | 57.0 | 武 豊 | 2:24.8 | クビ |
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35.2 | 476(-2) | 国枝 栄 | 12 | |
12 | 12 | シャドウディーヴァ | 牝6 | 55.0 | 松山 弘平 | 2:24.9 | 1/2 |
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34.5 | 482(-4) | 斎藤 誠 | 16 | |
13 | 4 | トラストケンシン | 牡7 | 57.0 | 丸田 恭介 | 2:25.0 | 3/4 |
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34.8 | 474(+6) | 高橋 文雅 | 18 | |
14 | 13 | テーオーロイヤル | 牡4 | 57.0 | 菱田 裕二 | 2:25.3 | 1 3/4 |
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35.6 | 456(-2) | 岡田 稲男 | 8 | |
15 | 1 | シムカミル | 牡3 | 55.0 | G.ブノワ | 2:25.3 | ハナ |
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35.5 | 486(前計不) | S.ワッテル | 11 | |
16 | 9 |
ユニコーンライオン
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牡6 | 57.0 | 国分 優作 | 2:25.3 | クビ |
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35.8 | 534(+4) | 矢作 芳人 | 15 | |
17 | 18 | ボッケリーニ | 牡6 | 57.0 | 浜中 俊 | 2:25.7 | 2 1/2 |
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35.9 | 458(-14) | 池江 泰寿 | 9 | |
18 | 16 |
リッジマン
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牡9 | 57.0 | 石川 裕紀人 | 2:26.4 | 4 |
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35.6 | 472(-6) | 千葉 幸喜 | 17 |
ハロンタイム | 12.8 - 11.2 - 12.3 - 12.5 - 12.3 - 12.2 - 12.4 - 12.1 - 11.7 - 11.4 - 11.3 - 11.5 |
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上り | 4F 45.9 - 3F 34.2 |
1コーナー | (*9,10,13)1(3,11,18)(2,5,14)6(4,8,15)7(12,17)16 |
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2コーナー | (*9,10)(1,13)3(2,11,18)6(4,5,14)8,15(12,7)-17,16 |
3コーナー | 9,10(1,13)(3,18)(2,11,17)(6,14)(4,5)(8,15)(12,7)-16 |
4コーナー | (*9,10)13(1,3,18)(11,14,17)(2,6)(5,15)(4,8)7,12-16 |
勝馬 | ヴェラアズール [牡5・青毛] 父:エイシンフラッシュ 母:ヴェラブランカ |
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馬主 | 有限会社 キャロットファーム |
生産地 | 北海道白老郡白老町 |
生産牧場 | 有限会社 社台コーポレーション白老ファーム |
戦績 | 22戦6勝 |
獲得賞金 | 549,680,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2022年 京都大賞典(GⅡ) |
騎手 | R.ムーア:2勝目 2013年 ジェンティルドンナ |
調教師 | 渡辺 薫彦:初勝利 |