2020年 重賞レース一覧ジャパンカップ
第40回ジャパンカップ(GⅠ)は、ゲートが開く前から伝説となることが約束されていた。史上初めて実現した三冠馬vs三冠馬vs三冠馬の激突。歴史的一戦を制したのは、ここを引退の舞台に選んだ最強牝馬・アーモンドアイだ。
一昨年の2着馬キセキが大逃げを打つ。1000メートル通過57秒9という速いペースだ。アーモンドアイは、かなり離れた先行馬群の中。その後ろには無敗で牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトが続き、同じく無敗の三冠馬コントレイルは中団に位置する。
緊迫した空気のまま、勝負は最後の直線へ。依然として粘るキセキを、香港ヴァーズの勝ち馬グローリーヴェイズが2番手から追撃する。坂を上りながらアーモンドアイもエンジンに点火。クリストフ・ルメール騎手の左ムチに応えて加速すると、外から迫る昨年の2着馬カレンブーケドール、コントレイル、デアリングタクトらを突き放し、前の2頭を一気に交わし去る。
こうなれば盤石だ。コントレイル、デアリングタクト、カレンブーケドール、グローリーヴェイズの激しい2着争いを1馬身4分の1後方に従えて、アーモンドアイは堂々先頭でゴールを駆け抜けたのである。
「返し馬からスタート前まで“普通”のアーモンドアイだった」。ルメール騎手はさらりと振り返る。それは、普通のコンディションで普通に走れば誰にも負けないという、愛馬に対する信頼の表れだろう。確かに、アーモンドアイは強かった。
アーモンドアイが積み上げた芝GⅠタイトルは、2018年の3歳牝馬三冠とジャパンカップ、2019年のドバイターフと天皇賞(秋)、今年のヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)、そしてこのレース、計9つとなった。
「この3年間で大きなエモーションをもらった。感謝したい」とルメール騎手。その思いはファンも同じはず。いくつもの感動的なレースを走り抜いたアーモンドアイは、有終の美を飾って、最強馬のままターフに別れを告げたのである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 2 | アーモンドアイ | 牝5 | 55.0 | C.ルメール | 2:23.0 |
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34.7 | 490(0) | 国枝 栄 | 1 | ||
2 | 6 | コントレイル | 牡3 | 55.0 | 福永 祐一 | 2:23.2 | 1 1/4 |
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34.3 | 456(-2) | 矢作 芳人 | 2 | |
3 | 5 | デアリングタクト | 牝3 | 53.0 | 松山 弘平 | 2:23.2 | クビ |
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34.4 | 474(-6) | 杉山 晴紀 | 3 | |
4 | 1 | カレンブーケドール | 牝4 | 55.0 | 津村 明秀 | 2:23.2 | ハナ |
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34.8 | 474(+2) | 国枝 栄 | 5 | |
5 | 15 | グローリーヴェイズ | 牡5 | 57.0 | 川田 将雅 | 2:23.3 | クビ |
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35.2 | 464(+8) | 尾関 知人 | 4 | |
6 | 3 | ワールドプレミア | 牡4 | 57.0 | 武 豊 | 2:23.8 | 3 |
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35.0 | 482(-10) | 友道 康夫 | 7 | |
7 | 7 | ミッキースワロー | 牡6 | 57.0 | 戸崎 圭太 | 2:23.8 | クビ |
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34.7 | 478(+4) | 菊沢 隆徳 | 10 | |
8 | 4 | キセキ | 牡6 | 57.0 | 浜中 俊 | 2:24.1 | 2 |
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38.9 | 508(0) | 角居 勝彦 | 6 | |
9 | 12 | マカヒキ | 牡7 | 57.0 | 三浦 皇成 | 2:24.2 | クビ |
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35.1 | 502(+8) | 友道 康夫 | 11 | |
10 | 8 | ウェイトゥパリス | 牡7 | 57.0 | M.デムーロ | 2:24.6 | 2 1/2 |
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35.1 | 478(前計不) | A.マルチアリス | 9 | |
11 | 10 | パフォーマプロミス | 牡8 | 57.0 | 岩田 望来 | 2:24.8 | 1 |
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35.6 | 466(-2) | 藤原 英昭 | 12 | |
12 | 13 | ユーキャンスマイル | 牡5 | 57.0 | 岩田 康誠 | 2:25.0 | 1 |
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35.7 | 498(+2) | 友道 康夫 | 8 | |
13 | 11 | クレッシェンドラヴ | 牡6 | 57.0 | 内田 博幸 | 2:25.3 | 2 |
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37.0 | 500(+6) | 林 徹 | 14 | |
14 | 9 | トーラスジェミニ | 牡4 | 57.0 | 田辺 裕信 | 2:25.6 | 1 3/4 |
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37.5 | 488(+4) | 小桧山 悟 | 15 | |
15 | 14 | ヨシオ | 牡7 | 57.0 | 勝浦 正樹 | 2:29.2 | 大差 |
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40.0 | 486(+12) | 森 秀行 | 13 |
ハロンタイム | 12.7 - 10.8 - 11.8 - 11.3 - 11.3 - 11.5 - 11.8 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 13.2 - 12.3 |
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上り | 4F 49.9 - 3F 37.8 |
1コーナー | 4-14-9(2,15)11(1,5)-6(3,10)-7-12,13,8 |
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2コーナー | 4=(9,14)-15(2,11)5,1-6,3,10,7-12,13,8 |
3コーナー | 4=(15,9)(2,11)14(1,5)-6,3,10,7-(12,13)8 |
4コーナー | 4=(15,9)(2,11)1-(3,5)6(12,7)(14,10,13)8 |
勝馬 | アーモンドアイ [牝5・鹿毛] 父:ロードカナロア 母:フサイチパンドラ |
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馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 15戦11勝 (内中央) 14戦10勝 (内海外) 1戦1勝 |
獲得賞金 | 1,915,263,900円 (内中央) 1,519,563,000円 (内海外) 395,700,900円 |
主な勝鞍 | 重賞10勝目(海外含む) 2018年 日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ) 2018年 桜花賞(GⅠ) 2018年 オークス(GⅠ) 2018年 秋華賞(GⅠ) 2018年 ジャパンカップ(GⅠ) 2019年 ドバイターフ(G1)〔ドバイ〕 2019年 天皇賞(秋)(GⅠ) 2020年 ヴィクトリアマイル(GⅠ) 2020年 天皇賞(秋)(GⅠ) |
騎手 | C.ルメール:3勝目 2009年 ウオッカ 2018年 アーモンドアイ |
調教師 | 国枝 栄:2勝目 2018年 アーモンドアイ |