2020年 重賞レース一覧ホープフルステークス
ホープフルS(GⅠ)ではダノンザキッドが1番人気の支持を集めた。6月の新馬戦で早々に勝ち上がり、以来5か月ぶりとなった前走・東京スポーツ杯2歳Sも断然人気に応えて快勝。メンバー中唯一の重賞ウィナーとして臨むここは負けられない一戦といえた。
ただし、楽な戦いとはいかなかった。
芙蓉Sを3馬身半差で勝利したランドオブリバティがレースを引っ張る。ダノンザキッドはすんなりと好位につけたものの、鞍上・川田将雅騎手は「リズムがあまり良くない。3コーナーから4コーナーでも上手に走れていなかった」と、スムーズさを欠くフットワークに苦労する。コーナーの途中で早くも手綱が激しく動き始めるほどだった。
それでも、ダノンザキッドの底力は群を抜いていた。外へ逃避していくランドオブリバティの内側を突いて直線入口で先頭に並びかけると、そこからは、アイビーS勝ち馬オーソクレース、東京スポーツ杯2歳Sで2着に下したタイトルホルダー、先行した2頭との追い比べ。紫菊賞勝ち馬ヨーホーレイクも馬群の中から脚を伸ばしてくる。
この争いを制して、先頭ゴールを果たすダノンザキッド。「新しい課題も見つかったので、そこを改善しながら来年につなげたい」と、まだ伸びしろを感じさせる内容でのGⅠ完勝劇を披露したのである。
川田騎手は、朝日杯フューチュリティSに続いて2週連続の2歳GⅠ制覇となったが、それよりも「師匠とともに、やっとGⅠを獲れた」という喜びを涙で語る。ダノンザキッドは、川田騎手がデビュー当時に所属していた安田隆行厩舎の管理馬。これまで川田騎手と安田厩舎のコンビは、ダノンスマッシュでのスプリンターズS3着、2着など結果を出せずにいた。その悔しさを晴らし、師匠の恩に報いる勝利ともなったのである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手名 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師名 | 単勝人気 |
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1 | 10 | ダノンザキッド | 牡2 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:02.8 |
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36.4 | 516(-4) | 安田 隆行 | 1 | ||
2 | 1 | オーソクレース | 牡2 | 55.0 | C.ルメール | 2:03.0 | 1 1/4 |
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36.7 | 480(+10) | 久保田 貴士 | 3 | |
3 | 2 | ヨーホーレイク | 牡2 | 55.0 | 武 豊 | 2:03.1 | 1/2 |
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36.4 | 502(+2) | 友道 康夫 | 4 | |
4 | 11 | タイトルホルダー | 牡2 | 55.0 | 戸崎 圭太 | 2:03.3 | 1 1/2 |
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37.0 | 470(0) | 栗田 徹 | 7 | |
5 | 13 | シュヴァリエローズ | 牡2 | 55.0 | 北村 友一 | 2:03.4 | クビ |
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36.5 | 444(+8) | 清水 久詞 | 5 | |
6 | 5 | テンカハル | 牡2 | 55.0 | 坂井 瑠星 | 2:03.5 | 1/2 |
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36.5 | 486(-8) | 矢作 芳人 | 13 | |
7 | 9 | アオイショー | 牡2 | 55.0 | 石橋 脩 | 2:03.5 | 1/2 |
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36.4 | 464(+2) | 中舘 英二 | 8 | |
8 | 7 | マカオンドール | 牡2 | 55.0 | 岩田 康誠 | 2:03.7 | 1 |
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36.4 | 490(+6) | 今野 貞一 | 9 | |
9 | 4 | ヴィゴーレ | 牡2 | 55.0 | 横山 武史 | 2:04.4 | 4 |
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37.8 | 456(-2) | 松永 幹夫 | 11 | |
10 | 12 | アドマイヤザーゲ | 牡2 | 55.0 | 吉田 隼人 | 2:04.5 | 3/4 |
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37.9 | 498(0) | 友道 康夫 | 6 | |
11 | 6 | ホールシバン | 牡2 | 55.0 | 丸山 元気 | 2:04.8 | 1 3/4 |
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38.2 | 508(+6) | 高橋 義忠 | 12 | |
12 | 8 |
バニシングポイント
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牡2 | 55.0 | M.デムーロ | 2:05.4 | 3 1/2 |
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39.3 | 498(+10) | 藤沢 和雄 | 10 | |
13 | 15 |
セイハロートゥユー
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牡2 | 55.0 | 木幡 巧也 | 2:05.5 | クビ |
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38.0 | 492(-2) | 牧 光二 | 14 | |
14 | 14 | モリデンアロー | 牡2 | 55.0 | 山田 敬士 | 2:08.3 | 大差 |
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39.6 | 488(-6) | 小桧山 悟 | 15 | |
中止 | 3 | ランドオブリバティ | 牡2 | 55.0 | 三浦 皇成 |
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478(+14) | 鹿戸 雄一 | 2 |
ハロンタイム | 12.8 - 11.4 - 13.0 - 12.7 - 12.0 - 11.9 - 12.2 - 12.0 - 12.2 - 12.6 |
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上り | 4F 49.0 - 3F 36.8 |
1コーナー | 3(1,11)(4,6,10)(12,13,8)(5,2)-9(7,15)14 |
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2コーナー | 3,11(1,10,8)6(4,12)(2,13)5,9,7,15-14 |
3コーナー | (*3,8)(1,11)10(4,6,12)2,13,5,9,7,15=14 |
4コーナー | 3,1(8,11,10)4(7,6,2,12)(5,13)9-15=14 |
勝馬 | ダノンザキッド [牡2・鹿毛] 父:ジャスタウェイ 母:エピックラヴ |
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馬主 | 株式会社ダノックス |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 3戦3勝 |
獲得賞金 | 111,442,000円 |
主な勝鞍 | 重賞2勝目 2020年 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ) |
騎手 | 川田 将雅:2勝目 2014年:シャイニングレイ |
調教師 | 安田 隆行:初勝利 |