2023年 重賞レース一覧エリザベス女王杯
4年ぶりに京都へと戻ったエリザベス女王杯(GⅠ)では、出走馬15頭中もっともフレッシュな存在が激戦を制した。ここまでのキャリアは2勝・2着2回とわずか4戦、初のGⅠに挑んだ3歳馬ブレイディヴェーグだ。
アートハウスが先導するレースは、1000メートル通過61秒1の緩やかなペースで進む。今年の3歳牝馬GⅠで好走を繰り返してきたハーパーは先団で折り合い、重賞2戦連続2着のルージュエヴァイユは中団、連覇を目指すジェラルディーナは隊列の外を上がっていく。昨年2着のライラック、府中牝馬S勝ち馬ディヴィーナ、良血サリエラらは後方に構えた。
前走ローズSで強烈な末脚を見せて2着に追い込んだブレイディヴェーグは、1枠1番のスタートから5番手の内をキープ。「前走は後ろから行き過ぎて間に合わなかった」という反省から、鞍上のクリストフ・ルメール騎手は早めの位置取りで戦いに臨んでいた。
徐々にピッチを速めながら馬群は4コーナーを回り切り、ハーパーを先陣とする後続が粘るアートハウスに襲い掛かる。ここで内から伸びたのがブレイディヴェーグだ。「手応えはずっと良かった。今日のような緩い馬場は心配だったけれど、いい脚を使ってくれた」というルメール騎手の言葉通り、力強いラストスパートを披露。ハーパーを交わし、内から迫るルージュエヴァイユも振り切って先頭ゴールを果たしたのだった。
デビューから5戦目での古馬GⅠ制覇は、2022年天皇賞(秋)のイクイノックスに並ぶ史上最少タイ記録。偉業を成し遂げたブレイディヴェーグを、ルメール騎手は「2200メートルはまったく問題なかったし、古馬相手でも能力を見せてくれた。まだ伸びしろはある。今後もGⅠレベルでいい競馬のできる馬」と称賛する。
リバティアイランド、スターズオンアース、そしてソングライン。強豪が居並ぶ牝馬戦線に、また1頭、新たなスターが誕生した瞬間である。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬 番 |
馬名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手名 | タイム | 着差 | コーナー 通過順位 |
推定上り | 馬体重 (増減) |
調教師名 | 単勝 人気 |
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1 | 1 | ブレイディヴェーグ | 牝3 | 54.0 | C.ルメール | 2:12.6 |
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34.4 | 460(0) | 宮田 敬介 | 1 | ||
2 | 2 | ルージュエヴァイユ | 牝4 | 56.0 | 松山 弘平 | 2:12.7 | 3/4 |
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34.3 | 468(-2) | 黒岩 陽一 | 5 | |
3 | 3 | ハーパー | 牝3 | 54.0 | 川田 将雅 | 2:12.8 | クビ |
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34.8 | 484(+2) | 友道 康夫 | 3 | |
4 | 11 | ライラック | 牝4 | 56.0 | 戸崎 圭太 | 2:12.9 | 1/2 |
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34.2 | 442(-6) | 相沢 郁 | 4 | |
5 | 7 | ジェラルディーナ | 牝5 | 56.0 | R.ムーア | 2:12.9 | クビ |
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34.7 | 466(0) | 斉藤 崇史 | 2 | |
6 | 13 | サリエラ | 牝4 | 56.0 | T.マーカンド | 2:12.9 | クビ |
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34.2 | 422(-6) | 国枝 栄 | 6 | |
7 | 6 | ディヴィーナ | 牝5 | 56.0 | M.デムーロ | 2:13.0 | 3/4 |
|
34.5 | 428(0) | 友道 康夫 | 8 | |
8 | 5 | イズジョーノキセキ | 牝6 | 56.0 | 岩田 康誠 | 2:13.1 | クビ |
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34.4 | 466(+2) | 中村 直也 | 13 | |
9 | 8 | シンリョクカ | 牝3 | 54.0 | 木幡 初也 | 2:13.1 | クビ |
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34.7 | 460(-2) | 竹内 正洋 | 12 | |
10 | 10 | ククナ | 牝5 | 56.0 | 浜中 俊 | 2:13.1 | クビ |
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34.7 | 462(+2) | 栗田 徹 | 14 | |
11 | 15 | ビッグリボン | 牝5 | 56.0 | 西村 淳也 | 2:13.2 | クビ |
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34.3 | 500(-4) | 中内田 充正 | 11 | |
12 | 4 |
ローゼライト
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牝5 | 56.0 | 和田 竜二 | 2:13.3 | 1/2 |
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35.7 | 456(0) | 清水 久詞 | 15 | |
13 | 9 | アートハウス | 牝4 | 56.0 | 坂井 瑠星 | 2:13.3 | アタマ |
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35.8 | 490(+20) | 中内田 充正 | 9 | |
14 | 12 | ゴールドエクリプス | 牝4 | 56.0 | 岩田 望来 | 2:15.2 | 大差 |
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37.3 | 492(-6) | 大久保 龍志 | 10 | |
15 | 14 | マリアエレーナ | 牝5 | 56.0 | 三浦 皇成 | 2:15.3 | 3/4 |
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37.2 | 438(+10) | 吉田 直弘 | 7 |
ハロンタイム | 12.5 - 11.4 - 12.6 - 12.5 - 12.1 - 11.9 - 12.7 - 11.8 - 11.6 - 11.5 - 12.0 |
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上り | 4F 46.9 - 3F 35.1 |
1コーナー | 9,4-(3,12)1,14(2,8,7)11(10,6)13(5,15) |
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2コーナー | 9,4-(3,12)1,14(2,7)8(10,11,6)13(5,15) |
3コーナー | 9,4-(3,12)(1,14)7,2(10,8)(11,6)(5,13)15 |
4コーナー | 9,4-(3,12)(1,14,7)(2,10,8,6)(5,11,13)15 |
勝馬 | ブレイディヴェーグ [牝3・鹿毛] 父:ロードカナロア 母:インナーアージ |
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馬主 | 有限会社 サンデーレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 5戦3勝 |
獲得賞金 | 170,798,000円 |
主な勝鞍 | 重賞初勝利 |
騎手 | C.ルメール:3勝目 2008年 リトルアマポーラ 2020年 ラッキーライラック |
調教師 | 宮田 敬介:初勝利 |