2019年 重賞レース一覧有馬記念
出走馬16頭中11頭がGⅠウィナー。豪華な顔触れがそろった有馬記念(GⅠ)でありながら、最強牝馬アーモンドアイは単勝オッズ1.5倍の断然人気に推された。今回はどんな勝ちっぷりを見せてくれるのか、その走りに注目が集まる。
だがゴール前で喝采を浴びたのは、もう1頭の最強牝馬だった。勝利を手にしたのは、2番人気のリスグラシューだ。
速いペースで流れたレースが、大きく動いたのは2周目の3コーナー過ぎから4コーナーにかけて。大逃げのアエロリットと、そこからやや離れた先行集団を、後続が一気に飲み込んでいく。アーモンドアイもフィエールマンと並んで進出を開始し、その直後には3番人気サートゥルナーリアも迫る。
この時、中団の内で脚を溜めていたのがリスグラシューだ。鞍上を務めるのは、宝塚記念1着、豪G1コックスプレート優勝時に引き続いてダミアン・レーン騎手。リスグラシューを3連勝へ導くためにオーストラリアから駆けつけたのだ。
「コックスプレートからさらに成長していると矢作調教師から聞き、自信を持って乗った。ロスのないラチ沿いを取ることができたので、あとは馬の能力に任せるだけだった」
そんなレーン騎手も驚くほどのパフォーマンスを、リスグラシューは披露する。
直線入口、一気に外へと持ち出されてスパート態勢に移ったリスグラシューは、競り合うアーモンドアイとフィエールマン、そこへ襲い掛かるサートゥルナーリアをまとめて交わし去る。それでもまだ勢いは止まらず、最後は後続を5馬身も突き放してゴールへ。同一年の宝塚記念・有馬記念連覇は史上10頭目、牝馬としては初の快挙だ。
「引退なんて本当に残念な話」とレーン騎手。そう、リスグラシューにとって、ここがラストラン。あまりに衝撃的な強さを見せつけ、彼女こそが最強牝馬とのイメージをファンに残して、有終の美を飾ったのである。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | タイム | 着差 | コーナー通過順位 | 推定上り | 馬体重(増減) | 調教師 | 単勝人気 |
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1 | 6 | リスグラシュー | 牝5 | 55.0 | D.レーン | 2:30.5 |
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34.7 | 468(前計不) | 矢作 芳人 | 2 | ||
2 | 10 | サートゥルナーリア | 牡3 | 55.0 | C.スミヨン | 2:31.3 | 5 |
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35.4 | 504(+2) | 角居 勝彦 | 3 | |
3 | 7 | ワールドプレミア | 牡3 | 55.0 | 武 豊 | 2:31.4 | クビ |
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35.0 | 492(+8) | 友道 康夫 | 4 | |
4 | 5 | フィエールマン | 牡4 | 57.0 | 池添 謙一 | 2:31.6 | 1 1/2 |
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36.0 | 482(前計不) | 手塚 貴久 | 6 | |
5 | 11 | キセキ | 牡5 | 57.0 | R.ムーア | 2:31.6 | クビ |
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35.8 | 506(前計不) | 角居 勝彦 | 7 | |
6 | 16 | シュヴァルグラン | 牡7 | 57.0 | 福永 祐一 | 2:31.9 | 1 3/4 |
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35.8 | 470(+6) | 友道 康夫 | 14 | |
7 | 8 |
レイデオロ
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牡5 | 57.0 | 三浦 皇成 | 2:32.1 | 1 1/4 |
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36.0 | 494(+8) | 藤沢 和雄 | 9 | |
8 | 14 | ヴェロックス | 牡3 | 55.0 | 川田 将雅 | 2:32.3 | 1 |
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36.7 | 494(+4) | 中内田 充正 | 8 | |
9 | 9 | アーモンドアイ | 牝4 | 55.0 | C.ルメール | 2:32.3 | ハナ |
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36.9 | 486(+6) | 国枝 栄 | 1 | |
10 | 3 |
エタリオウ
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牡4 | 57.0 | 横山 典弘 | 2:32.4 | クビ |
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37.2 | 462(0) | 友道 康夫 | 10 | |
11 | 13 | アルアイン | 牡5 | 57.0 | 松山 弘平 | 2:32.8 | 2 1/2 |
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38.0 | 526(0) | 池江 泰寿 | 15 | |
12 | 2 | スワーヴリチャード | 牡5 | 57.0 | O.マーフィー | 2:33.6 | 5 |
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38.3 | 526(+10) | 庄野 靖志 | 5 | |
13 | 4 | スティッフェリオ | 牡5 | 57.0 | 丸山 元気 | 2:34.0 | 2 1/2 |
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39.9 | 456(+8) | 音無 秀孝 | 13 | |
14 | 15 | アエロリット | 牝5 | 55.0 | 津村 明秀 | 2:35.0 | 6 |
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42.1 | 514(-2) | 菊沢 隆徳 | 12 | |
15 | 1 | スカーレットカラー | 牝4 | 55.0 | 岩田 康誠 | 2:35.3 | 1 3/4 |
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39.8 | 474(-12) | 高橋 亮 | 11 | |
16 | 12 | クロコスミア | 牝6 | 55.0 | 藤岡 佑介 | 2:35.3 | クビ |
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40.6 | 444(-4) | 西浦 勝一 | 16 |
ハロンタイム | 6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0 |
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上り | 4F 49.9 - 3F 37.6 |
1コーナー | 15=(4,12)13,3,2,1(14,9)(6,5)11,10-16(7,8) |
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2コーナー | 15=4,12,13,3(1,2)(14,9)(6,5)11,10-(16,8)7 |
3コーナー(2周目) | 15=4-(12,13)-3,2(1,9)(14,5)(6,11,10)(16,8)7 |
4コーナー(2周目) | 15,4-13-(3,9,5)(2,10)(6,14,11)12(1,16,8)7 |
勝馬 | リスグラシュー [牝5・黒鹿毛] 父:ハーツクライ 母:リリサイド |
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馬主 | 有限会社 キャロットファーム |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 22戦7勝 (内中央) 19戦6勝 (内海外) 3戦1勝 |
獲得賞金 | 1,217,200,100円 (内中央) 887,381,000円 (内海外) 329,819,100円 |
主な勝鞍 | 重賞6勝目 2016年 アルテミスステークス(GⅢ) 2018年 東京新聞杯(GⅢ) 2018年 エリザベス女王杯(GⅠ) 2019年 宝塚記念(GⅠ) 2019年 コックスプレート(G1)〔オーストラリア〕 |
騎手 | D.レーン:初勝利 |
調教師 | 矢作 芳人:初勝利 |