2023年 重賞レース一覧天皇賞(秋)
11頭の少数精鋭で争われることとなった天皇賞(秋)(GⅠ)。だが出走馬の少なさを補って余りある、衝撃の結果をファンは目撃する。イクイノックスの圧勝劇だ。
大阪杯の覇者ジャックドールがハナを主張する。ガイアフォースが続き、やや離れて世界ランキング第1位の評価と単勝オッズ1.3倍の断然人気を背負うイクイノックス。鞍上クリストフ・ルメール騎手が「スタートが良く、いいポジションを取れた。そこからもリラックスしていた」と語る、盤石の位置取りと追走だ。
これら先団を見るのは、宝塚記念2着などのヒシイグアス、昨年の日本ダービーでイクイノックスを下しているドウデュースら。ドバイターフ2着のダノンベルーガ、天皇賞春秋連覇を目指すジャスティンパレス、札幌記念完勝のプログノーシスは後方を行く。
1000メートル通過は57秒7。息の入らない流れだが、ルメール騎手は「イクイノックスにとっては楽」と、まったく不安視しない。それどころか3番手を取った時点で「これなら勝てる」と感じたという。実際、その自信を証明するかのような直線だった。
ジャックドールを交わしたガイアフォースに、悠々と並びかけていくイクイノックス。ゴーサインが出されると、一気に抜け出し、突き放す。最後にダノンベルーガ、プログノーシス、ジャスティンパレスが追い込んできたものの、この2着争いを2馬身半後方に見ての先頭ゴール。史上3頭目となる同レース連覇、そしてGⅠ・5連勝を果たすとともに、1分55秒2という驚異的なJRAレコードも叩き出したのである。
「道中は乗りやすく、追えばすぐに反応する。自分の仕事をよくわかっている、ほとんど完璧な馬」と愛馬を称えるルメール騎手。その“完璧さ”によって、イクイノックスは今後も数々の記録を残し、観る者の心に鮮烈な記録を刻んでいくことだろう。
(谷川 善久)
着順 | 枠 | 馬 番 |
馬名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手名 | タイム | 着差 | コーナー 通過順位 |
推定上り | 馬体重 (増減) |
調教師名 | 単勝 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | イクイノックス | 牡4 | 58.0 | C.ルメール | 1:55.2 | レコード |
|
34.2 | 494(+2) | 木村 哲也 | 1 | |
2 | 6 | ジャスティンパレス | 牡4 | 58.0 | 横山 武史 | 1:55.6 | 2 1/2 |
|
33.7 | 468(-2) | 杉山 晴紀 | 6 | |
3 | 9 | プログノーシス | 牡5 | 58.0 | 川田 将雅 | 1:55.8 | 1 1/4 |
|
33.9 | 474(-2) | 中内田 充正 | 3 | |
4 | 4 | ダノンベルーガ | 牡4 | 58.0 | J.モレイラ | 1:55.8 | アタマ |
|
34.3 | 500(-8) | 堀 宣行 | 4 | |
5 | 5 | ガイアフォース | 牡4 | 58.0 | 西村 淳也 | 1:56.2 | 2 1/2 |
|
35.5 | 496(+6) | 杉山 晴紀 | 7 | |
6 | 11 | アドマイヤハダル | 牡5 | 58.0 | 菅原 明良 | 1:56.5 | 1 1/2 |
|
35.0 | 484(-4) | 大久保 龍志 | 9 | |
7 | 3 | ドウデュース | 牡4 | 58.0 | 戸崎 圭太 | 1:56.6 | 1/2 |
|
35.3 | 512(+4) | 友道 康夫 | 2 | |
8 | 2 | エヒト | 牡6 | 58.0 | 横山 和生 | 1:57.4 | 5 |
|
35.7 | 462(-4) | 森 秀行 | 11 | |
9 | 8 | ヒシイグアス | 牡7 | 58.0 | 松山 弘平 | 1:57.6 | 1 1/2 |
|
36.3 | 490(-12) | 堀 宣行 | 8 | |
10 | 1 | ノースブリッジ | 牡5 | 58.0 | 岩田 康誠 | 1:58.0 | 2 1/2 |
|
36.7 | 492(-8) | 奥村 武 | 10 | |
11 | 10 | ジャックドール | 牡5 | 58.0 | 藤岡 佑介 | 1:58.4 | 2 1/2 |
|
37.9 | 506(-10) | 藤岡 健一 | 5 |
ハロンタイム | 12.4 - 11.0 - 11.5 - 11.4 - 11.4 - 11.4 - 11.4 - 11.6 - 11.4 - 11.7 |
---|---|
上り | 4F 46.1 - 3F 34.7 |
2コーナー | 10-5,7(1,3,8)11(2,4)6-9 |
---|---|
3コーナー | 10,5-7(1,3,8)(2,4,11)-6,9 |
4コーナー | 10,5-7(1,3,8)(4,11)2(6,9) |
勝馬 | イクイノックス [牡4・青鹿毛] 父:キタサンブラック 母:シャトーブランシュ |
---|---|
馬主 | 有限会社 シルクレーシング |
生産地 | 北海道勇払郡安平町 |
生産牧場 | ノーザンファーム |
戦績 | 9戦7勝 (内中央) 8戦6勝 (内海外) 1戦1勝 |
獲得賞金 | 1,711,582,100円 (内中央) 1,252,692,000円 (内海外) 458,890,100円 |
主な勝鞍 | 重賞6勝目(海外含む) 2021年 東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ) 2022年 天皇賞(秋)(GⅠ) 2022年 有馬記念(GⅠ) 2023年 ドバイシーマクラシック(G1)(ドバイ) 2023年 宝塚記念(GⅠ) |
騎手 | C.ルメール:8勝目 2018年(秋) レイデオロ 2019年(春) フィエールマン 2019年(秋) アーモンドアイ 2020年(春) フィエールマン 2020年(秋) アーモンドアイ 2022年(秋) イクイノックス 2023年(春) ジャスティンパレス |
調教師 | 木村 哲也:2勝目 2022年(秋) イクイノックス |